… … …(記事全文2,547文字)米イスラエル・イラン戦争の戦火が上がってからついに1カ月が経過した。米国とイランは共に終戦への提案を掲げているものの両者の溝は深く、ロシア・ウクライナ戦争の泥沼化を彷彿とさせる停滞が続いている。こうした中、世界がいま直面しているのは、単なるエネルギー危機ではない。人類にとってより根源的な脅威「食糧危機」だ。
●隠れた危機
ホルムズ海峡の実質的封鎖によるエネルギー危機に隠れて進行しているのが、世界の食糧生産に不可欠な「肥料危機」だ。
<2026年3月2日 フォーブス>
世界の食料生産の根幹を支える窒素肥料は、天然ガスを原料として生産されており、世界貿易量の21%がサウジアラビアやカタール等湾岸諸国で生産されている。
石油危機よりも肥料危機の方が深刻とされる理由は、その「備蓄」の困難さにある。常温で貯蔵可能な石油と異なり、原料となる天然ガスはマイナス162℃の液化天然ガス(LNG)として維持しなければならず、膨大な保管コストを要する。そのため、湾岸諸国の生産現場では大規模な備蓄を避け、必要な時に必要な量だけを生産する「ジャストインタイム(JIT)」方式が徹底されてきた。
<天然ガスは備蓄コストが高いため、石油に比べて備蓄量が少ない>
結果として、肥料には「国家備蓄」という概念がほとんど存在しない。ホルムズ海峡封鎖により輸送船が途絶えた瞬間、世界はあっという間に肥料不足と価格高騰の嵐に飲み込まれる。
<2026年3月3日 StoneX>
<2026年3月9日 ニューズウィーク>
すでにその影響は、湾岸諸国の供給に依存するインド、ブラジル、オーストラリアで顕著に現れ始めている。
<2026年3月18日 Bitget>
<2026年3月21日 ブラジル日報>
<2026年3月26日 argusmedia>
特にオーストラリアでは、国内最大のアンモニア生産施設の予期せぬ損傷も重なり、肥料危機がさらに深刻化している。
<2026年3月23日 ナチュラルニュース>
<2026年3月5日 The Daily Star バングラデシュでも尿素製造が停止>
さらに世界の肥料危機を深刻化させる恐れがあるのが世界最大の窒素肥料輸出国であるロシアの動向だ。先日ロシアは、自国の農業保護を名目に窒素肥料の輸出を制限すると発表した。
<2026年3月24日 BrainDead World>
世界最大の穀物と肥料の生産国のロシアでさえ、自国防衛に走り始めている。











