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ここまで書いたら殺される!? メディアが絶対報道できない「裏話」

上村史朗(ブログ「夢と勇気とサムマネー」運営)

上村史朗

台湾有事は遠のいたのか? ~中国軍No.2粛清の衝撃~(2)

今回失脚した二人の「腐敗」を中国当局が具体的に明かしていない中、ウォール・ストリート・ジャーナルは、張又侠氏が「中国の核兵器関連の機密を米国に売却した」との疑惑を報じた。だが、多くの専門家はこの情報を疑問視している。

 

 

●粛清の真の理由

 

<2026年1月25日 ウォール・ストリート・ジャーナル 張又侠氏(真ん中)と劉振立氏(左)>

 

専門家らが「核機密漏洩説」を疑問視する理由は明白だ。中国軍の実質トップの張又侠氏らに核の機密情報を米国に漏洩する動機が見つからないことに加え、側近と言えども中国高官は習近平から高度に監視されており、公式な場以外で米国高官と単独で接触する機会は皆無に等しいからだ。

 

核機密漏洩説を書いたWSJ中国担当首席記者ウェイ・リンリンは、中国指導部に近いエリート層に非常に強力な情報源を持っていることで有名だ。だが、それゆえに中国当局からディスインフォメーション(偽情報・誤情報)を掴まされた可能性が指摘されている。実際、実際、1月28日の彼女の記事からは「核機密」の文言が消えた。スクープ記事の実質的なトーンダウン(修正)といえる。


<2026年1月28日 ウォール・ストリート・ジャーナル>

 

もうひとつ囁かれている噂は、習近平に対する「クーデター未遂」説だ。SNSやYoutubeでは「北京で銃撃戦が起きた」「京西賓館で40人死亡レベルの戦闘があった」「張又侠を救出するために軍が北京市内に入った」などの情報が頻繁に飛び交った。


<2026年1月27日 大紀元>

スーツを着た男性の白黒写真AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。

 

だが、このクーデター未遂説も信ぴょう性が高いとは言えない。「大紀元」のような反習近平政権メディアが報じているだけで、それを裏付ける情報はその後出てきていないからだ。実際、1月29日にはスターマー英首相が訪中し北京で習近平と首脳会談を行っている。北京市内が軍事的緊張の中にあるならば、スターマーは訪中できなかったはずだ。クーデター未遂説は完全には否定できないが、少なくとも銃撃戦といった軍事的緊張は起きていなかったと思われる。


<2026年1月29日 読売新聞>

 

この他にも、「張又侠が事前に用意した習近平批判や台湾武力統一反対を綴った密書」なるものがネット上に流出するなど(恐らく偽物)、情報は現在も玉石混交の状態だ。

 

確かなことは、張又侠と劉振立が失脚したこと、そして、2人に対する中国当局の批判は過去に類を見ないほど激烈であったことだ。2人の失脚を伝える新華社通信の記事は、単なる汚職の指摘を超えて「政治的裏切り者」として徹底的に断罪する言葉で溢れていた。現在の中国共産党における最大の「政治的裏切り」とは、「習近平に対する反対」を意味する。


<2026年1月24日 新華社通信>

 

最終的に2人の失脚理由として最も可能性が高いのは「権力闘争」だ。権力闘争は中国共産党のお家芸とも言える。前回お伝えしたように、習近平は「反腐敗」を盾に江沢民派や胡錦濤派という「政敵」を粛清してきた。今回の政変もその延長線上にあると考えるのが妥当だ。

 

習近平の究極の野望は「第二の毛沢東」になることだ。鄧小平が築いた集団指導体制を破壊し、毛沢東だけが冠した「党主席」の称号を復活し、永久権力と独裁体制を実現することだ。習近平は自身の野望のために、政敵のみならず、自ら育成してきた高級将校や側近中の側近も次々と蹴落としてきた。

 

<2022年10月5日 朝日新聞>

 

<習近平は鄧小平が築いた集団指導体制を破壊しようとしている>

 

筆者が調べた限りにおいて、今回の政変の内幕に関し現時点で最も信ぴょう性の高い解説は、元北京大学教授の袁紅冰氏の解説だ。ぜひご覧いただきたい。

 

<2026年1月31日 言論チャンネル>

https://youtu.be/1u52C5zNJNA?si=jwvxt76xaPhj8tGf

 

 

●「ドンロー主義」の影響

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