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ここまで書いたら殺される!? メディアが絶対報道できない「裏話」

上村史朗(ブログ「夢と勇気とサムマネー」運営)

上村史朗

改憲の真の狙い(2)

日本人にとって憲法は国家権力から国民の権利を守る最高法規だが、憲法の性質や役割は国によってかなり異なる。

 

 

●日本国憲法は「立憲主義」

 

日本は立憲主義(憲法による権力抑制)と民主主義(国民主権・基本的人権尊重)を組み合わせた「立憲民主制」を採用している。国家権力は憲法によって縛られ(立憲主義)、その憲法の下で国民が主権者として政治に参加する(民主主義)体制だ。

 

<立憲主義と民主主義>

  

 

憲法の性質は国の歴史や政治体制によって大きく異なる。例えばドイツは国民の権利保障も強いが国家秩序も重要視する「両立型」だ。ロシアや中国など社会主義・共産主義国家は、「国家の安定・指導」が優先され国民の権利は二次的だ。中東諸国はイスラム法(シャーリア)を最高法規とする国が多く、憲法がない、あるいは憲法があってもイスラム法が上位に置かれる。


<憲法の性質は国によって異なる>

 

戦前の大日本帝国憲法(明治憲法)は「天皇・国家主権」型の憲法で、国民の権利よりも国家・皇室・軍の権能が優先された。条文の多くは天皇が主語で、上(天皇・国家)が下(国民・臣民)に権利を与える形だった。

 

<大日本帝国憲法と現行憲法の違い>

 

しかして、自民党の改憲草案は、憲法の主体が「国民」から「国家」に重心移動している。「戦前回帰」「大日本帝国憲法の復活」と言われる所以だ。

 

 

●自民党草案は「国民と国家の関係が逆転」

 

憲法の前文は憲法の性質を規定すると言っても過言ではない。

 

現行の日本国憲法は次のような「前文」で始まる。


<現行憲法前文>

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」


一方、自民党の草案は以下だ。


<自民党草案>

「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴いただく国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。

我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。

日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。

我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。

日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。」


この通り、現行憲法が「恒久の平和」を重視しているのに対し、自民党草案は国家の形成・成長を前面に押し出している。形式的には主権は日本国民にあるとしているが、憲法の主体が国家に変わっていることは明白だ。


<「自民党の改憲草案で憲法はどう変わる?」より>

https://kaikensouan.com/

 

自民党草案はこうした前文の変更に始まり、「戦争放棄」(9条)や「個人の尊重」(13条)など、国民主権や基本的人権に関する条項の重心が国家に移動している。国民と国家権力の関係が逆転し、憲法の骨格が国家主体になっているのだ。

  

<現行憲法と自民党草案の違い>

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<自民党草案は憲法の性質が変わっている>

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この、憲法の性質を国民主体から国家主体に変える象徴的な条項が、「緊急事態条項」(98条、99条)なのである。

 

 

  

 

 

●改憲を望む勢力

 

戦前回帰にも近い憲法改正は自民党の結党以来の悲願だが、その自民党を作ったのは米CIAだ。

… … …(記事全文3,328文字)
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