… … …(記事全文3,002文字)10月21日、自民党総裁の高市早苗氏が衆参両院本会議で第104代首相に指名され、高市内閣が発足した。欧米に遅れること1年、ようやく日本にも「左」から「右」への反動がやってきた。高市政権発足からまだ間もないが、筆者の高市内閣の第一印象は「日本版トランプ政権2.0」だ。日本のトランプ信者が喜びそうだが、手放しで褒めているわけではない。保守政策と売国政策が同居する「ダブルバインド」という意味だ。
●安倍路線を期待する保守層
<2025年10月21日 産経新聞>
大手メディアは新内閣が組閣されるたびに国民の支持率を発表する。各メディアで数字は違うが、高市内閣の支持率は60%~80%と総じて高い。読売新聞の調査では、先月の石破内閣の支持率34%から47%アップして71%、不支持率は54%から36%減少して18%と大きく下がった。
<2025年10月22日 読売新聞>
支持率71%、不支持率18%ということは、支持も不支持もしないと答えた人が11%いたということだ。ちなみに筆者も百歩譲って「11%」側だ。発足したばかりで実績がまだない内閣に支持も不支持もない。だが、百歩譲らなければ「不支持」だ。高市内閣が悪いというわけではない。米DSや世界の支配層の指示に唯々諾々と従い、日本に「失われた30年」をもたらした日本の政治家と官僚に期待する理由が見つからないだけだ。高市氏と高市内閣の面々も間違いなくその一員だ。
とはいえ、岸田・石破のあからさまな極左・売国政権より何倍もマシだとは確かに感じる。あまりにもひどい政権が続いただけに、保守層が期待するのも無理からぬことだ。
高市氏は安倍チルドレンとして知られているが、下の記事が指摘するように、公明党という枷(かせ)が外れことで「安倍路線」への単なる回帰以上に保守・タカ派色を高めていく可能性がある。
<2025年10月23日 nippon.com>
<高市氏が安倍路線を踏襲する可能性は高い>
以前もお伝えしたと思うが、死者に鞭を打たない日本人は安倍氏の売国政治の実績をすっかり忘れ、安倍氏を「保守の象徴」として称賛・神格化する自民党の戦略に見事に嵌っている。高市政権の高支持率は、「保守の象徴の後継者」というイメージが多分に寄与している。
<2023年7月8日 AERA>
<2025年10月5日 朝日新聞>
以下は、2020年9月に第2次安倍政権が終わったときに筆者が纏めた安倍政権の売国実績だ。
<安倍政権の売国実績>
高市政権に安倍政権の後継を期待するということは、こうした売国政治が再び行われることを望むということだ。










