… … …(記事全文3,033文字)一時停止中の米国の高関税政策の再発動(7月9月)まであと数日と迫る中、交渉が難航している日本政府に、トランプが新たな踏み絵を迫った。「フェンタニル」問題だ。
●ゾンビ麻薬「フェンタニル」
フェンタニルとはガンの痛みを和らげるなど医療現場で使われる麻薬性の鎮痛剤で、モルヒネの100倍、ヘロインの50倍効果があると言われている。効果が強力なため、医療現場でも使用量は厳密に判断され適量が用いられる。
<医療用フェンタニル>
フェンタニルは中枢神経系に作用し、呼吸を制御する脳の部分を抑制する。過剰摂取すると呼吸が極端に遅くなったり止まったりし、酸素不足で死亡するリスクが高まる。その作用は強力で、わずか2ミリグラムで呼吸が止まり死に至る。
<2ミリグラムは鉛筆の芯の先に乗る程度>
フェンタニルは強烈な眠気や脱力感や多幸感を引き起こす。この状態は「ノッディング・オフ(nodding off)」と呼ばれ、以下のような影響を伴う。
フェンタニルは依存性も高く、少量ではすぐ効かなくなり、使用量が増加し、呼吸が止まって死に至るリスクが高まる。
米国で問題になっているのは違法につくられ、規制外のルートで流通する不正フェンタニルだ。SNSなどを介して手軽に安く買える合成麻薬として流行し、中毒患者が急増した。
米国では年間数万人が過剰摂取で死亡しており、若年層の間では交通事故や銃を上回る犠牲者を生み続けている。
<2024年12月12日 TBS NEWS>
https://youtu.be/lycza7mXLDc?si=mMeemt4OHjudoChq
<フェンタニルによる死者数は薬物の中でも抜きんでている>
フェンタニル中毒者は姿勢を維持できず、ゾンビのように徘徊するため、フェンタニルは”ゾンビ麻薬“と呼ばれている。
<米フィラデルフィア・ケンジントンはフェンタニル中毒者で溢れている>
フェンタニルを取り締まる警察官も命懸けだ。
下は、不審者を職務質問した女性警察官が、不審者が所持していたフェンタニルの粉末を知らず知らずのうち吸い込んでしまい、呼吸困難になって危うく死にかけたときの実際の映像だ。
<女性警察官は同僚が持っていた解毒剤「ナロキソン」で間一髪助かった>
https://youtu.be/nKmmuFL11CM?si=8lKTlR-MdC5ev-73
事前にフェンタニルの存在が分かっている場合、米国の警察官は、フェンタニルに暴露しないよう防護服を着て任務に当たっている。
●日本政府は2年前から知っていた
6月26日、日本経済新聞は、中国組織が日本の名古屋に拠点(会社名:FIRSKY)を作り不正フェンタニルの原料を米国に密輸していた、とスクープした。









