… … …(記事全文3,020文字)“トランプ劇場”が止まらない。2月28日に開催されたトランプとゼレンスキーの首脳会談は、報道陣が見守るなか激しい口論となり、予定されていたウクライナの希少資源に関する協定署名と共同記者会見が中止された。大手メディアは前代未聞の大トラブルだと大々的に報じたが、実は計算されつくした「世紀の茶番」だ。
●前代未聞?の公開“口論”
<2025年3月1日 NHK>
口論のきっかけは、会談終盤にゼレンスキーが延々とプーチンを批判し、トランプのプーチンに対する甘い姿勢と、ウクライナ(とゼレンスキー自身)の安全保障の確約がないレアアース合意案およびロシアとの和平案を暗に批判したことだった。実際、トランプは記者からの安全保障の質問に対し、あやふやな答えしかしなかった。だが、このゼレンスキーの態度に副大統領のヴァンスが怒って口論となり、次いでトランプも参戦し、報道記者の目前で激しく罵り合う事態になった。
この口論に関し、DS・米民主党支配の大手メディアは、トランプに責任があり、各国は引き続きウクライナを支援すべきだと報じた。
<2025年3月1日 東京新聞>
<2025年3月2日 朝日新聞>
米民主党や大手メディアにとっては、トランプの大統領就任以来叩かれ続けてきた鬱憤を晴らせる「トランプの失策」に見えただろう。
だが、三度の飯よりディール(取引)が好きなトランプが感情に任せて軽々に失敗するはずがない。
そもそも本気の交渉は秘密裏に行われるものだ、大勢の報道陣の前で行われるものではない。
<会談には大勢の報道陣がいた>
●両者の思惑
ゼレンスキーとの口論と交渉決裂はトランプにとって好ましい展開だった。
なぜならゼレンスキー・NATO・DS・米民主党・大手メディアは、この口論で、ロシアとの和平よりもウクライナ支援継続、すなわち戦争継続を望んでいることを自白したようなものだからだ。ゼレンスキーを悪目立ちさせたことも、「ゼレンスキー=正義、プーチン=悪」で洗脳された人々の目を覚まさせるのに一定の効果があった。
さらに、米国(DS・米民主党政権)がNATOとウクライナを巻き込んで始めた戦争にもかかわらず、米国だけ“一抜け”する理由もできた。
加えて、たとえ戦争継続となっても「一日で戦争を終わらせる」と豪語してきた自分(トランプ)のせいではない、と全世界に向けてアピールすることができた。
トランプとヴァンスはそうした目的があってわざと報道陣の前でゼレンスキーを煽ったのだ。





