… … …(記事全文3,184文字)大統領復帰以降、世界を驚かせ続けているトランプが新たな爆弾発言を行った。就任後初の首脳会談となったイスラエル・ネタニヤフ首相との会談と記者会見で、ガザ地区のパレスチナ人約180万人をエジプトやヨルダン等に移住させ、米国がガザ地区を所有・再開発し、「中東のリビエラ」(リゾート)にする、と宣言したのだ。従来のパレスチナ問題の二国家解決案を全否定したトランプの爆弾発言には、どのような意図が隠されているのか。
●「ガザ地区をリゾート開発する」
<2025年2月6日 NHK>
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各国はトランプの爆弾発言に対し「民族浄化だ」「国際法違反だ」と猛烈に反発している。トランプの発言意図が「パレスチナ人の強制移住」ならば、トランプは甘んじて批判を受けなければならない。ホワイトハウスは慌てて「パレスチナ人を他国に永住させるのではなく、再開発の間、一時的に移住させるという意味だった。」と釈明したが、トランプは記者会見で「(再開発後は)世界の人が住む」とはっきり言っているため、後の祭りだ。
<2025年2月6日 時事通信>
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<2025年2月5日 BBC>
一方、ネタニヤフはトランプの「パレスチナ人の他国移住」は大歓迎だが、ホワイトハウスの「再開発が終わったらパレスチナ人をガザ地区に帰還させる」という釈明は承服できないだろう。
シオニストにとって「約束の地(イスラエルの地)」に他民族が定住するのはユダヤ教の神ヤハウェの意思に反することであり、許されることではない。それ故、シオニストのネタニヤフは国際的な批判をものともせず、ガザ地区とヨルダン川西岸のパレスチナ人を迫害し続けている。にもかかわらず、ガザ地区再開発後にパレスチナ人が戻ってきては、何のためにイスラエルの傀儡政権ハマスと自作自演的に戦争し、ガザ地区を破壊してパレスチナ人を追い出したのかわからなくなる。
<2023年10月31日 In Deep イスラエル・ハマス紛争はガザ地区のパレスチナ人追放が目的の“自作自演”戦争だった>
トランプはネタニヤフに気を使って再開発後のパレスチナ人の帰還を明言しなかったのかもしれないが、トランプの発言とホワイトハウスの釈明のズレは、パレスチナ問題の根本原因である英国の「三枚舌外交」を彷彿させる。
<英国「三枚舌外交」>
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トランプのガザ地区再開発発言は、これまで帝国主義の欧米列強が世界で散々行ってきた犯罪行為(口実を作ってターゲット国を攻撃・破壊した後、多国籍企業が“再建”名目で進出し、国を乗っ取る)と本質的に同じものだが、今回は複数の意図が隠されているように思える。
ひとつは「大イスラエル構想」だ。