… … …(記事全文2,754文字)中東の地政学は複雑で刻々と変化するため、全てを網羅してお伝えするのは困難を極める。枝葉末節を捨てて本質だけを言うと、今回のアサド政権の崩壊は、米国、イスラエル、トルコがシリアを食い物にするために、シャーム解放機構(HTS)に資金と武器を与えて攻撃させたものだ。そして、その先には「エゼキエル戦争」と「大イスラエル構想」がある。
<米国、イスラエル、トルコにシリアを差し出すHTS>
<トルコが南下してシリアの土地を奪い、イスラエルが東に侵攻してシリアの土地を奪い、米国はシリアの石油を盗み続ける。元アルカイダのテロリストHTSを皆で支持。大手メディアはこの実態をスルー>
<イスラエル兵の腕章にある「大イスラエル」。イスラエルは大イスラエル実現に向けて一歩前進した>
●シリア陥落は大イスラエル計画の一里塚
「大イスラエル」の実現を目指しているイスラエルは現在、ガザ地区、ヨルダン川西岸、レバノン、シリア、イラク、イラン、イエメンの7カ所で戦争状態にある。7正面戦争はいかにも無茶だが、全て大イスラエル実現のためであり、今回のシリア攻撃・陥落もそのシナリオの中の一つだ。
<イスラエルの7正面戦争>
イスラエルのシナリオはこうだ。
昨年10月、イスラエルは、パレスチナ人を押し込めているガザ地区の実効支配勢力ハマス(実はイスラエルの傀儡)にわざとイスラエルに向けてロケット攻撃させ、ガザ地区の徹底破壊の口実を作り、パレスチナを支援する周辺のイスラム諸国との対立を意図的に深刻化させた。
<2023年10月7日 NHK>
<フェンスを破ってイスラエル領内に堂々と侵入するハマス。普段警備しているイスラエル軍のパトロール隊はなぜかどこにもいなかった>