… … …(記事全文1,928文字)参院選で各党党首の舌戦が繰り広げられている。結果次第では石破茂政権退場となるが、石破政権が代わろうとも、重要なのはだれが「失われた30年」と決別させられるかである。
そんな問題意識から、拙論は7月20日の参院選後に拙著「亡国のザイム原理主義」(かや書房)を、8月初めには「米中経済消耗戦争」(ワニ・プラス)を上梓する。前者は財務省が支配する経済システムの破綻を明らかにし、後者は中国中心のグローバリズムをぶっこわすトランプ高関税砲が日本経済再生のチャンスを告げる号砲であることを解明して行く。
ザイム原理主義については、生成AIでもあらかたの解説が出てくるのには驚いたが、日本国民の困窮化と日本国家の衰退の元凶であり、AIにその答えをまかせるわけにはいかない。
30年間もの「失われた日本経済」を生んできた元凶は、国内総生産(GDP)の過半分
を仕切る政府の経済政策の度重なる失敗にある。財務官僚の省是であるザイム原理主義が、
政官財学界とメディアに浸透している。ザイム原理主義はとっくに破綻しているのに、し
ぶとく息を吹き返す。
そこで改めて「ザイム原理主義」を定義すると、以下5つの要素で構成
される「バカの壁」に突き当たる。
①政府の借金は「悪」で、増税や歳出削減で減らすべきだ
②国内需要が不振であろうと、増税すれば財政収支は均衡し、健全化する
③財政収支がバランス、さらに黒字化すれば景気はよくなり、国家と国民が栄える
④減税のためには財源がなければならない
⑤景気対策の財源が不足するから、近い将来増税しなければならない
米国在住の浜田宏一エール大学名誉教授の言を借りると「世界の常識は、日本では非常
識。日本の常識は、世界では非常識」なのである。
浜田教授は2011年3月11日の東日本大震災のとき、財務省が仕組んだ復興増税に反
対する筆者の論陣に共鳴し、「傷ついた子供に重い荷物を背負わせる」と政府を批判した。
停戦のメドが立たずに延々と続くロシアによるウクライナ侵略戦争、トランプ政権によ
るイランへの空爆などエスカレーする中東情勢の緊迫化、中国の脅威の高まり……。日本
はこれ以上、経済愚策を続けるわけにはいかない。