… … …(記事全文7,704文字)2026年3月2日発行(通算第867号)
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石井順也の世界情勢ブリーフィング
https://odyssey.co.jp/blog/jd/
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3月になりました。この一週間でずいぶん暖かくなってきたように感じられます。朝の寝床が心地よく、なかなかベッドから離れにくいです(笑)。
さて今週は、ついに始まった米国によるイラン攻撃と、トランプ大統領の一般教書演説を取り上げます。イラン攻撃は本メルマガがかねてから予想していたとおりの展開ですが、情勢が流動的なため、明日以降も追加配信でフォローアップを行いたいと思っています。
【目次】
1.先週の動き
(1)米国とイスラエルのイラン攻撃
(2)トランプの一般教書演説
2.今週の動き
3.近況報告
4.バックナンバー
5.あとがき
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先週の動き
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2/22(日)
・米シークレット・サービスがマール・アラーゴに侵入した男を射殺
・英警察がマンデルソン前駐米大使を公務上の不正行為の容疑で逮捕
・メキシコ軍が「ハリスコ新世代カルテル(CJNG)」のリーダーのエル・メンチョを殺害
・ラオス総選挙
2/23(月)
・EU外相会合(ブリュッセル)
2/24(火)
・トランプ大統領の一般教書演説
・ヘグセス国防長官とアンスロピックのアモデイCEOが会談(ペンタゴン)
・米・タイ主導の多国間合同軍事演習「コブラゴールド」(タイ、~3/6)
・中国商務省が三菱重工グループを含む日本企業20社の軍民両用品目の輸出禁止を発表
2/25(水)
・米・ウクライナ、米・メキシコ首脳電話会談
・北朝鮮の朝鮮労働党大会の閉幕(平壌)
・インド・イスラエル首脳会談(エルサレム)
2/26(木)
・米・ウクライナ高官協議(ジュネーブ)
・米・イラン高官協議(同)
・アンスロピックのアモデイCEOが米軍によるClaudeの無制限の使用の拒否を表明
・米下院監視委員会でクリントン元国務長官がエプスタイン問題について証言
・中独首脳会談(北京)
・中国全人代常務委員会が上将5人の全人代代表資格の剥奪、王祥喜応急管理相の解任を決定
・世界経済フォーラム(WEF)のブレンデ総裁がエプスタイン問題を理由に辞任を表明
2/27(金)
・トランプ大統領が全ての連邦機関に対しアンスロピックの技術の使用を即時中止するよう指示すると表明
・オープンAIが国防総省とAIモデルの提供で合意したと発表
・米下院監視委員会でクリントン元大統領がエプスタイン問題について証言
・中国がカナダ産のエンドウ豆やロブスターなどの農水産物に課している最大100%の追加関税を3月1日から12月31日まで停止すると発表
・中国人民解放軍が2月23日~26日に南部戦区の艦船が南シナ海を巡航したと発表
・パキスタン軍がアフガンのナンガルハル州にあるタリバン暫定政権の軍事施設を空爆
2/28(土)
・米国とイスラエルがイランを攻撃(トランプ大統領とネタニヤフ首相はハメネイ最高指導者は死亡したとの認識を表明)
・イランが米軍の攻撃への報復としてイスラエルとUAE、バーレーン、カタールの米軍基地を攻撃したと発表(アラグチ外相はハメネイ最高指導者は無事と発言)
・ルビオ国務長官がイスラエルを訪問
●米国とイスラエルのイラン攻撃
米国とイスラエルがイランを攻撃しました。イスラエルは「Roaring Lion(咆哮する獅子)」、米国は「Epic Fury(壮絶な怒り)」と名付けた作戦のもと、テヘランを含むイラン各地に対し大規模な空爆を実施しました。
トランプ大統領は、今回の攻撃の目的について、イランの差し迫った脅威を排除し、米国民を守ることにあると説明。イランの核兵器と長距離ミサイルの開発計画を壊滅させると宣言しました。また、米軍による攻撃が終了した後には、イラン国民に体制を転覆するよう呼び掛けました。
トランプは、トゥルース・ソーシャルに「ハメネイは死亡した」と投稿。ネタニヤフ首相も同様の認識を示しました。イランは当初これを否定しましたが、その後、国営メディアのファルス通信がハメネイ最高指導者の死亡を報じました。
さらにファルス通信は、ペゼシュキアン大統領、エジェイ司法長官、護憲評議会の法学者の3人による暫定体制の発足を報じました。一方、準国営メディアのタスニム通信は、アレフ第1副大統領が暫定体制を率いると伝えています。ペゼシュキアンとエジェイの状況も明らかになっておらず、体制内に混乱が生じていることをうかがわせます。
イランは報復として、イスラエル、それにUAE、バーレーン、カタールの米軍基地に攻撃を行ったと発表しました。サウジ、クウェート、ヨルダンの米軍基地も攻撃を受けたと報じられています。
米国が近いうちにイランを攻撃すること、しかもハメネイの「斬首作戦」を含め、レジーム・チェンジを狙ってくると予想されたことは、本メルマガでは1月の時点から指摘していました(以下の記事参照)。
・「トランプ政権のイラン攻撃の可能性」(1/19)
https://odyssey.co.jp/blog/jd/?p=11495
とはいえ、今回の攻撃の規模は予想を上回るものでした。情勢は刻一刻と変化していますが、本稿執筆時点での情報に基づき、とりいそぎポイントをお伝えします。明日以降、状況のアップデートを踏まえ、より詳細な分析をお届けする予定です。
