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石井順也の世界情勢ブリーフィング

石井順也(元外交官、国際政治経済、地政学ビジネス)

石井順也

石井順也の世界情勢ブリーフィング 第868号 今週の動き(3/8~14)米・イラン戦争

2026年3月9日発行(通算第868号)

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石井順也の世界情勢ブリーフィング

https://odyssey.co.jp/blog/jd/

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WBCが始まりましたね。日本は台湾、韓国、豪州を破り、特に台湾戦では13対0でコールド勝ち。大谷翔平、山本由伸、鈴木誠也、吉田正尚ら、ドリームチームの面々が本領を発揮し、まさに「こういうのが見たかった」という眼福の光景でした。


それにしても、Netflixでライブ観戦することになろうとは。野球中継といえば、私が学生の頃は巨人戦のナイターを日テレで見るのが当たり前でしたが、その後はネットのスポーツ配信サイトが主流となり、いまやNetflixまで参入することに。時代も変わったものです。


さて今週も、米国によるイラン攻撃について解説します。先週中に続報をお届けしたかったのですが、残念ながら時間が取れませんでした。その分、内容を充実させましたので、ぜひお読みいただければと思います。


【目次】


1.先週の動き

 ● 米・イラン戦争

2.今週の動き

3.近況報告

4.あとがき


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先週の動き

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3/1(日)

・イランがハメネイ最高指導者の死亡を発表

・中ロ外相電話会談

・韓国の「三・一独立運動」記念行事(李在明大統領が演説)


3/2(月)

・トランプ大統領がイラン攻撃に関する演説(ワシントンDC)

・イランの革命防衛隊の幹部がホルムズ海峡を封鎖したと発言したとの報道

・中・イラン外相電話会談

・ロシア・サウジ、UAE、カタール、バーレーン首脳電話会談

・フランスのマクロン大統領が核抑止に関する演説(ブルターニュ地方ロング島)

・IAEA理事会(ウィーン、~6日)

・インド・カナダ首脳会談(デリー)


3/3(火)

・米独首脳会談(ワシントンDC)

・米南方軍がエクアドル軍とともに麻薬対策として同国の指定テロ組織に対する軍事作戦を始めたと発表 

・テキサス州上院選の予備選(共和党は5/26に決選投票(コーニン上院議員とパクストン州司法長官)、民主党はタラリコ州下院議員が勝利)

・イスラエルがイランのコムにある専門家会議の施設を攻撃

・イスラエルがレバノン南部に地上部隊を展開

・フランスのマクロン大統領が中東情勢に関するテレビ演説


3/4(水)

・米潜水艦がインド洋でイランの軍艦を撃沈したとヘグセス国防長官とケイン統合参謀本部議長が発表

・米上院が大統領の戦争権限制限法案を否決

・米国際貿易裁判所が税関・国境警備局(CBP)にIEEPA関税の還付に向けた措置を命令

・中国の第14期人民政治協商会議(政協)第4回会議(北京、~11日) 


3/5(木)

・トランプ大統領がイランの最高指導者選びに「自分が関与する」と発言

・トランプ大統領がノーム国土安全保障省長官の解任(後任はマークウェイン・マリン上院議員)を発表 

・イランの革命防衛隊がペルシャ湾北部で米タンカーを攻撃したと発表

・米国務省がベネズエラの暫定政権と外交関係の回復で合意したと発表 

・米下院が大統領の戦争権限制限法案を否決

・中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議(北京、~12日)

・ネパール総選挙(シャハ前カトマンズ市長率いる国民独立党(RSP)が大勝)


3/6(金)

・トランプ大統領がイランとの合意は「無条件降伏しかない」と表明

・トランプ大統領と防衛大手7社のCEOが会談(ワシントンDC)

・米司法省がジェフリー・エプスタインに関する追加資料を公開したと発表

・ロシア・イラン首脳電話会談

・日・カナダ首脳会談(東京)

・赤沢経産相とラトニック商務長官が会談(ワシントンDC)


3/7(土)

・米・中南米12か国首脳会議(トランプ大統領が西半球からカルテルを撲滅するために中南米の17か国と「軍事連合」を結成したと表明)(マイアミ州ドラル)

・イランのペゼシュキアン大統領がトランプ大統領からの無条件降伏の要求を拒否するビデオ声明を発出

・台湾の卓栄泰行政院長が訪日(WBCを観戦)


●米・イラン戦争


米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始してから1週間が経過しました。双方の攻撃は現在も続いており、特に米国とイスラエルによる攻撃は、圧倒的な戦力を背景に拡大を続けています。


米潜水艦はインド洋でイランの軍艦を撃沈しました。ヘグセス国防長官は「第2次世界大戦以来、敵艦を魚雷で沈めたのは初めてだ」と主張。トランプ大統領は、イラン海軍を壊滅状態に追い込み、空軍と通信網を破壊したと表明しました。


イスラエルはコムにある専門家会議の施設を攻撃し、ハメネイ最高指導者の後任選出プロセスに混乱を生じさせました。ネタニヤフ首相は、テヘラン上空で航空優勢を確立したと宣言しています。 


イランも報復攻撃を継続しており、UAE、サウジアラビア、バーレーン、カタール、クウェート、オマーン、ヨルダン、イラクの米軍基地をターゲットとしていますが、ホテルや空港、エネルギーインフラでも被害が生じ、キプロス、トルコ、アゼルバイジャンでも攻撃が報告。革命防衛隊はホルムズ海峡の封鎖を宣言し、米国のタンカーを攻撃したとも発表しました。


トランプ大統領は演説で、イラン攻撃の目的について、(1)イランのミサイル能力の破壊、(2)海軍の殲滅、(3)核兵器保有の阻止、(4)テロ組織支援の停止の4点を挙げました。当初は作戦期間を4~5週間と見込んでいたものの、それよりも長期化する可能性があるとも述べました。


また、ハメネイの後任候補は攻撃により大半が死亡したが、最高指導者の選出には自らが関与する意欲を表明しました。さらに、イランとの合意は「無条件降伏しかあり得ない」として、イランの軍事力を完全に破壊するまで戦闘を続ける考えを示しました。


原油価格は急騰しており、ブレント原油は1バレル=92ドルを超え、23年秋以来の高水準となりました。米国の原油価格も攻撃開始前から約20%上昇しています。 


情勢はいまだ流動的ですが、イラン攻撃の背景をあらためて整理したうえで、今後の展望を解説します。戦闘そのものに加え、国際関係やマーケットに与える影響についてもコメントします。

… … …(記事全文9,314文字)
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