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石井順也の世界情勢ブリーフィング

石井順也(元外交官、国際政治経済、地政学ビジネス)

石井順也

世界情勢ブリーフィング 第843号 今週の動き(10/5~11)政府閉鎖とヴォートOMB局長の野望、ウクライナのロシア製油所攻撃

2025年10月6日発行(通算第843号)

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世界情勢ブリーフィング

https://guccipost.co.jp/blog/jd/

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自民党総裁選を制したのは高市早苗議員でした。日本初の女性首相が誕生することになります。多くの人にとってサプライズだったと思いますが、とりあえずマーケットは盛り上がりそうですね。Saltさんと永田町さんの分析が楽しみです。私も外交面からフォローしたいと思います。 


さて今週は、米国の政府閉鎖とウクライナ軍のロシア製油所への攻撃を取り上げます。いずれも政治・外交面だけでなく、マーケットへの影響という観点からも注目される動きであり、読者の皆さんの関心も高いテーマかと思います。


【目次】


1.先週の動き

(1)政府閉鎖とヴォートOMB局長の野望

(2)ウクライナのロシア製油所攻撃

2.今週の動き

3.近況報告

4.バックナンバー

5.あとがき


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先週の動き

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9/28(日)

・ミシガン州グランドブランにあるモルモン教の教会で銃撃事件 

・中朝外相会談(北京)

・ロシア軍がキーウをミサイルやドローンで大規模な攻撃

・デンマークが9月29日から10月3日までドローンの飛行を全土で禁止すると発表

・モルドバ議会選挙(与党PASが過半数を維持)

・英労働党大会(~10/1)


9/29(月)

・米・イスラエル首脳会談(ワシントンDC)

・イスラエル・カタール首脳電話会談

・トランプ大統領が海外製作映画に100%の関税を課すと表明

・トランプ大統領が木材製品に10月14日から追加関税を課す大統領布告に署名 

・米内務省が連邦所有地1,310万エーカーを石炭採掘に開放すると発表


9/30(火)

・ヘグセス国防長官主催の軍幹部の緊急会議(トランプ大統領が演説)(クアンティコ)

・トランプ大統領がファイザーとの薬価引き下げの合意を発表

・米国の25会計年度(24年10月~25年9月)の失効(政府機関の一部閉鎖)

・中国共産党弁公室の劉海星副主任が中央対外連絡部長に就任 

・日韓首脳会談(ソウル)


10/1(水)

・トランプ大統領がカタール防衛に関する大統領令に署名

・米教育省が9大学に政府の助成金を優先的に受け取る条件として入学や留学の選考の見直しを求める書簡を送付 

・米上院がつなぎ予算案を否決

・中国国慶節

・EU首脳会議(コペンハーゲン)


10/2(木)

・欧州政治共同体(EPC)首脳会議(コペンハーゲン) 

・ロシアのプーチン大統領がヴァルダイ会議で演説(ソチ) 


10/3(金)

・トランプ大統領がハマスに10月5日までの和平案受け入れを要求

・ハマスがトランプ政権のガザ和平案への回答(人質解放で合意)を発表

・米軍がベネズエラ近くの公海上で「麻薬運搬船」を爆撃したとヘグセス国防長官が表明 

・米上院がつなぎ予算案を否決 

・チェコ下院選挙(野党「ANO2011」が勝利)(~4日)


10/4(土)

・自民党総裁選(高市早苗議員が当選)


●政府閉鎖とヴォートOMB局長の野望


米国では、26会計年度(25年10月1日~26年9月30日)の歳出法が成立せず、さらに25会計年度の歳出を継続させるための暫定的な歳出法(つなぎ予算)も成立させることができなかったため、10月1日から政府閉鎖に突入しました。 


政府閉鎖は、第1期トランプ政権下の18年12月から19年1月までの35日間(史上最長)以来となります。米国の予算制度については、その当時、以下の記事で詳しく解説していましたので、ご参照ください。 


・「政府閉鎖の長期化(米国の予算制度)」(19/1/22)

 https://guccipost.co.jp/blog/jd/?p=6785 ;


上院は10月1日と3日につなぎ予算案の採決を行いましたが、いずれも否決されました。民主党は3月にはつなぎ予算に賛成していたものの、今回は年末に失効する医療保険制度(オバマケア)への補助金延長や、低所得者医療支援の復活を要求し、譲歩しない姿勢を示しています。 


一方、超保守強硬派として知られるラッセル・ヴォート行政管理予算局(OMB)局長は、政府職員の一時帰休ではなく恒久的な解雇を進めるなど、前例のない措置に踏み込むことを宣言しています。このため、従来はある程度予定調和的だった政府閉鎖をめぐる与野党の駆け引きは、かつてなく緊張に満ちた様相を呈しています。


今回の政府閉鎖の意義と今後の展望について、ヴォートというキーパーソンに焦点を当てつつ、トランプ政権が描く政策ビジョンという広い観点から解説します。 

… … …(記事全文8,490文字)
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