… … …(記事全文11,340文字)2025年9月15日発行(通算第840号)
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世界情勢ブリーフィング
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今週は3連休ですね。遠出をされている方も多いかと思います。世界情勢に休みなし、ということでメルマガは祝日でも配信しますが、お休みの方はゆっくり読んで、明日からの仕事に向けて英気を養っていただければと思います。
さて今週は、ロシアのドローンのポーランド侵入、イスラエルのドーハ空爆、チャーリー・カークの銃撃事件を取り上げます。いずれも過去に前例のない事態であり、これらがわずか2日間に起こったことは衝撃的でした。
ネパールの動乱についても、私はネパールには出張とプライベートで何度も訪れてメディアでも解説しており、現地に友人も多いので、詳しく書きたかったのですが、他のテーマで長くなってしまったので、読者の方々の関心とタイミングを見て取り上げることにしたいと思います。
【目次】
1.先週の動き
(1)ロシアのドローンのポーランド侵入
(2)イスラエルのドーハ空爆
(3)チャーリー・カーク銃撃事件
2.今週の動き
3.近況報告
4.あとがき
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先週の動き
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9/7(日)
・OPECプラスの有志国会合(オンライン)
・タイでアヌティン首相が就任
・石破首相が辞任を表明
9/8(月)
・米下院監視・説明責任委員会の民主党委員らがジェフリー・エプスタインにトランプ大統領が送ったとする手紙の画像を公表
・BRICS首脳会議(オンライン)
・中国全人代常務委員会(北京)
・フランス下院がバイル内閣の信任投票を否決
・ノルウェー総選挙(与党・労働党を含む中道左派勢力が勝利)
・インドネシアのスリ・ムルヤニ財務相が解任
・太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議(ソロモン諸島・ホニアラ、~12日)
・自民党が臨時総裁選の実施に関する国会議員と都道府県連の意思を確認
9/9(火)
・イスラエルがカタールのドーハでハマスの幹部を標的にして空爆
・米・イスラエル、米・カタール首脳電話会談
・ワシントンDCの連邦地裁がクックFRB理事の解任の仮差止命令
・北朝鮮の建国記念日
・フランスのマクロン大統領がルコルニュ国防相を首相に指名
・タイ最高裁がタクシン元首相の警察病院での入院は服役義務の履行にあたらないとして禁固1年の判決
・ネパールで反政府抗議デモが過激化(オリ首相が辞任)
・国連総会開幕(NY)
9/10(水)
・ロシア軍のドローンがポーランド領空に侵入(ポーランド軍とNATO軍が撃墜)
・米・ポーランド首脳電話会談
・米中外相、国防相電話会談
・米韓外相会談(ワシントンDC)
・米保守活動家のチャーリー・カークがユタ・バレー大学で演説中に銃撃を受け死亡
・フランス全土で反政府抗議デモ
・イスラエルがイエメンのサヌア等でフーシ派の軍事施設等を空爆
・ネパール軍が全土での外出禁止令を発出
9/11(木)
・ベラルーシがトランプ大統領の要請を受け52人を恩赦したと発表
・英国がマンデルソン駐米大使の解任を発表
・ブラジル最高裁がボルソナロ前大統領にクーデター未遂の有罪判決
・ECB定例理事会(フランクフルト)
9/12(金)
・トランプ大統領がテネシー州メンフィスへの州兵派遣を表明
・G7財務相会合(オンライン)
・ベッセント財務長官がスペインと英国を訪問(~18日)
・中国の全人代常務委員会が武装警察部隊の王春寧司令官の全人代代表解任を発表
・ロシアとベラルーシの合同軍事演習(~16日)
・ネパールのポーデル大統領がスシラ・カルキ元最高裁判所長官を暫定首相に任命
9/13(土)
・トランプ大統領がNATO全加盟国がロシアから原油購入をやめればロシアに大規模な制裁を科す用意がある、NATO全加盟国が中国に50~100%の関税を課せば戦争の終結に役立つと表明
・ルビオ国務長官がイスラエルと英国を訪問(~18日)
・中国商務省が米国による半導体の対中規制に関する調査の開始を発表
●ロシアのドローンのポーランド侵入
ロシア軍のドローンがポーランドの領空を侵犯し、ポーランド軍とNATO軍が撃墜しました。ロシア・ウクライナ戦争が始まってからNATOがロシアに対して初めて行った攻撃となりました。
ポーランドはNATO条約第4条を発動して加盟国との協議を要請。ナブロツキ大統領はトランプ大統領とも電話協議を行いました。一方、ロシア国防省は、今回の領空侵犯はウクライナへの攻撃を実施した際に起きた可能性があり、ポーランド領内を目標とする計画はなかったと発表しました。
トランプ大統領は、「ロシアがドローンでポーランドの領空を侵犯するとはどういうことだ?」「さあ、やるぞ(Here we go)」とSNSに投稿。さらにその後、記者団に対し、今回の事態はロシア側の「ミス」によって発生したのかもしれないと語りました。
今回のロシアのドローンによるポーランド侵入と、その後の各国の対応は、欧州の安全保障にとって大きなインパクトを与えるものとなりました。そのポイントと今後の展望を解説します。
