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世界情勢ブリーフィング

JD(国際政治・経済の研究者、作家、元外交官)

JD

世界情勢ブリーフィング 第818号 今週の動き(4/13~19)トランプ政権の相互関税の一時停止、米中の貿易戦争、トランプ関税とハイテク産業

2025年4月14日発行(通算第818号)

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世界情勢ブリーフィング

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大阪万博が始まりましたね。私は5月初めに行く予定です。報道を見ていると期待が高まる一方、混雑も心配になってきますが、それも含めてお祭りと思って楽しむことにします。


さて、今週もトランプ政権です。世界を驚かせた相互関税の一時停止と、中国への145%関税、そして中国の報復によって幕を開けた米中の「貿易戦争」、さらにハイテク産業との関係について解説します。日本製鉄や米国以外の話題も取り上げたかったのですが、次回以降に回します。


【目次】


1.先週の動き

(1)トランプ政権の相互関税の一時停止

(2)米中の貿易戦争の始まり

(3)トランプ関税とハイテク産業

2.今週の動き

3.近況報告

4.あとがき


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先週の動き

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4/6(日)

・フランスの国民連合のルペン前党首への有罪判決に対する抗議集会(パリ)

・セルビアのブチッチ大統領がベオグラード大のマツット教授を首相に任命


4/7(月)

・トランプ大統領が中国に対して報復関税を撤回しなければ50%の追加関税を課すと表明

・米・イスラエル首脳会談(ワシントンDC)

・日米首脳電話会談

・トランプ大統領が対米外国投資委員会(CFIUS)に日本製鉄によるUSスティールの買収計画の再審査を指示

・フランス・エジプト・ヨルダン首脳会談(カイロ)


4/8(火)

・米韓首脳電話会談

・ヘグセス国防長官とパナマのムリノ大統領が会談(パナマ)

・パナマの検察当局がCKハチソンの子会社と政府との契約に関する不正疑惑で捜査を開始すると発表

・米上院がエルブリッジ・コルビー元国防次官補代理の国防次官(政策担当)、ジョージ・グラス元駐ポルトガル大使の駐日大使就任を承認

・中国共産党の中央周辺工作会議(習近平国家主席が出席)(北京、~9日)

・中国の李強首相とEUのフォンデアライエン欧州委員長が電話会談

・ウクライナのゼレンスキー大統領がドネツク州での戦闘でロシア軍に参加していた中国人兵士2人を捕虜にしたと表明


4/9(水)

・米国の相互関税の上乗せ分が発効

・トランプ大統領が相互関税の上乗せ分の90日間の停止と中国に対する125%の追加関税に関する大統領令に署名

・米・スイス首脳電話会談

・トランプ大統領が海事産業基盤の再建に関する大統領令に署名

・中国が米国に対する50%の追加関税を発表

・中国人民解放軍の劉振立統合参謀部参謀長と英軍のラダキン参謀長が会談(北京)

・ウクライナのゼレンスキー大統領がロシア軍に参加している中国人兵士について少なくとも155人を特定したと公表


4/10(木)

・米国の中国に対する125%(累計145%)の追加関税が発効

・中国の米国に対する50%(累計84%)の追加関税が発効

・EUのフォンデアライエン欧州委員長が4月15日に発動予定だった報復措置を90日間保留すると発表

・トランプ大統領が公開の閣議を開催

・米ロ高官の外交関係正常化に関する協議(イスタンブール)

・米国とロシアがアブダビで収監されていた囚人の身柄を交換したとロシア連邦保安局(FSB)が発表

・米軍がデンマーク自治領グリーンランドに置くビドフィク基地のマイヤーズ司令官の解任を発表

・米連邦最高裁がエルサルバドルに誤って強制送還された男性の送還取消しを求める地裁の判決の遵守をトランプ政権に求める判決

・米下院が歳出法案の枠組みに関する決議案を可決

・ウクライナのゼレンスキー大統領が南アを訪問

・アルゼンチンで緊縮財政策に反対するゼネスト


4/11(金)

・中国が米国に対する41%(累計125%)の追加関税を発表

・米税関・国境取締局(CBP)が相互関税の対象からスマートフォン等の電子・電気機器を除外する通達を発表

・ウィトコフ中東特使とロシアのプーチン大統領が会談(サンクトペテルブルク)

・中・スペイン首脳会談(北京)

・ウクライナ防衛コンタクト・グループの会議(ブリュッセル)

・アンタルヤ外交フォーラム(トルコ・アンタルヤ、~13日)


4/12(土)

・米・イラン高官協議(オマーン)

・中国の米国に対する41%(累計125%)の追加関税が発効

・ガボン大統領選挙

・大阪・関西万博開会式


●トランプ政権の相互関税の一時停止


トランプ政権の相互関税が4月9日に発効しましたが、同日、トランプ大統領は約60か国に対する上乗せ分について90日間の適用停止を発表しました(10%の一律関税と、カナダ、メキシコ、中国に対する「フェンタニル・移民関税」は継続されます)。さらに中国には125%の追加関税を課すと表明しました。


突然の方向転換は世界を驚かせ、株価は急騰しました。相互関税を称賛していた政権高官や共和党議員の多くにとっても不意打ちだったでしょうが、「これこそアート・オブ・ディールだ」と一転して称える声が上がりました。


この大転換の背景には何があったのか。今後のトランプ関税はどうなっていくのか。詳しく解説します。

… … …(記事全文13,107文字)
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