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山田順の「週刊:未来地図」
No.000 2025/11/04
国民を貧困化させる「高市円安」はどこまで進む?
ドル円200円超えまで行くのか?
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高市内閣の最優先課題は、首相自ら言うように「物価高対策」である。ならば、物価を押し上げている最大の要因である「円安」を一刻も早く是正すべきだろう。
ところが、高市首相はアベノミクスの継承を唱え、「責任ある積極財政」を推し進めるという。しかも、必要なら赤字国債の発行も容認するというのだから、驚くしかない。そんなことをすれば、円安が加速するのは、金融・経済の常識だ。
「高市トレード」などという言葉が生まれ、景気は良くなり、日本経済は復活するようなムードになっているが、それは大いなる勘違い。
今後、さらに円安は進み、国民生活は困窮化する。はたして円安はどこまで行くのか?ドル円=200円はありえるのか?
ともかく、円を持っていてはいけない。この国で生きていくのに必要な円以外はすべてドルに交換し、円資産もすべて手放すべきだ。
写真:高市首相、所信表明演説(自民党HPより)
[目次] ─────────────
■ドル円110円時に書いた『円安亡国』『永久円安』
■「失われた30年」から「さらに失われる40年」に
■なぜインフレのいま、アベノミクスをやるのか?
■「金利を上げるのはアホだ」という“迷”発言
■小手先の「物価高対策」より「円安是正」
■日銀の金利据え置きで一気に円安が進む
■財務省は「高市円安」をただ黙って見ているだけ
■「日米合意」5500億ドルも大きな円安要因
■トランプの横暴になにも言わずに従うのか?
■貿易収支もデジタル収支も赤字という現実
■いまや円は「途上国通貨」になりつつある
■160円超えでドル売り円買い介入はあるのか?
■日本企業が健在なら200円突破はない
■補正予算と次の日銀会合で決まる円安の行方
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■ドル円110円時に書いた『円安亡国』『永久円安』
私は、アベノミクスが始まったときに、すでに今日の円安をはっきりと予測していた。どの程度の円安になるかはわからないが、こんなこと(異次元金融緩和)を続ければ、円の価値は毀損され、いずれ取り返しのつかないことになると警告した。
そして、当時、2冊の本を書いた。1冊は『円安亡国』(文春新書)。もう1冊は『永久円安』(ビジネス社)である。
この2冊の本を書いた当時、2014年から2015年にかけて、ドル円は110円前後だった。その後、ドル円は105円から115円のレンジで推移してきたが、コロナ禍が開けた2022年後半から一気に下落し、2024年6月には160円台をつけた。そして、いまは150円台で推移しおり、ずっと円安基調が続いている。
■「失われた30年」から「さらに失われる40年」に
この円安基調は、今後も続き、円は再び160円台になり、さらに170円、180円もあり得るのだろうか? じつは私は、そのように予測している。高市政権が誕生したからだ。
まさに、本のタイトル通りの永久円安が、高市政権が政策を変更しない限り続くだろう。
なぜ、私は『円安亡国』『永久円安』などという本を書いたのか?
それは、ひと言でいえば、日本の国力が落ち続け、今後も回復は見込めないと思ったからだ。経済が好調で繁栄している国家なら、国債発行による金融緩和などする必要はない。
つまり、アベノミクスは苦し紛れの借金に頼った経済刺激策であり、それはかえって経済を悪化させる。金融緩和だけでは、経済は回復しない。
実際、そのようになって、いまの日本は「失われた30年」から「さらに失われる40年」に突入している。
■なぜインフレのいまアベノミクスをやるのか?
アベノミクスを、高市首相は継承すると言っている。失敗が明白なアベノミクスを復活させ、自ら安倍元首相の継承者であることを認め、「責任ある積極財政」を提唱している。そして、必要とあれば国債発行も容認するとしている。
そんなことをしたらどうなるか?
アベノミクスのときはデフレだった。だから、デフレから脱却し、インフレ基調に持って行こうというのが政策目標になった。しかし、いまやインフレである。まったく状況が逆のときに金融緩和を続けたらどうなるか?
火に油を注ぐというが、まさにそうなるのは明白だ。インフレは止まらなくなるだろう。円はさらに毀損され、円安も止まらなくなるだろう。
■「金利を上げるのはアホだ」という“迷”発言
高市政権は、最優先課題に「物価高対策」を挙げている。全野党も、同じく「物価高対策」を最優先課題として政府に迫っている。その1つとして、すでに年内のガソリンの暫定税率の廃止が決まった。
しかし、このような減税措置は小手先の対策にすぎない。物価高を抑制するなら、インフレの本当の原因、つまり「円安」を止め、「円高」に持っていくしかない。つまり、もうこれ以上の国債発行はせず、現行の0.5%という政策金利を引き上げるしかない。
ところが、高市首相は、自民党総裁選のとき「金利を上げるのはアホだ」と言ったぐらい、肝心なところがわかっていない。
