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山田順の「週刊:未来地図」
No.796 2025/09/16
少子化の根本原因は若者の貧困化
どうする?中間層の若者が結婚できない現実!
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少子化が恐ろしい勢いで進んでいる。その結果、人口減が加速している。現在、日本人の人口(2025年1月1日時点)は1億2065万3227人で、昨年より90万8574人の減少。今年はもっと減るのは確実だ。
なんと日本は、1年間で約100万人が減少するという、超人口減社会に突入している。これからは、毎年、人口100万人都市が1つ消滅していくのと同じことが続いていく。
すでに、少子化は未婚化が招いたことがはっきりしている。いまの若者たちは結婚しない。というか、貧困化により、結婚できなくなっている。だから、子供も生まれてこない。
それなのに、政府は見当違いの子育て支援のような「少子化対策」を続けている。このまま、人口減が進むと、日本はどうなってしまうのだろうか?
[目次] ─────────────────────
■「結婚シーズン」の秋なのに結婚式が激減
■結婚するのは年収から見て上位3割の層だけ
■結婚相手の男性の理想年収は500万円以上
■「ナシ婚」「ジミ婚」「スマ婚」が増えている
■コロナ禍が若者たちから結婚の機会を奪った
■少子化の原因は未婚化。未婚化の原因は貧困化
■政府や自治体がやっている無意味な少子化対策
■人口の絶対数が減れば社会が回らなくなる
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■「結婚シーズン」の秋なのに結婚式が激減
秋は結婚式の季節。
温暖化により猛暑が続いているので、いまや9月は秋とは言えないが、10月、11月になれば、いわゆる「結婚シーズン」となり、街で花婿・花嫁の姿を見かけることが多くなる。
しかし、最近、それがめっきり減った。また、結婚式に呼ばれることが減った。これは、私の歳のせいと組織に属さないフリーランスという立場のせいでもあるが、結婚式そのものが減っているからだ。
統計を見ると、日本の婚姻数は1972年の約100万組をピークに減少を続け、近年は50万組を割り込んでいる。なんと、半減である。
結婚年齢層の人口は大幅には減っていないから、この落ち込みの原因は、少子化による人口減だけとは限らない。ズバリ、若者たちの貧困化にあると指摘されている。
■結婚するのは年収から見て上位3割の層だけ
各種調査を見ると、20代の年収の平均中央値は300万円台半ば。これが30代前半になると300万円台後半になり、30代後半になると400万円台半ばになる。
この20代〜30代がもっとも結婚する年代だが、この年収で、はたして一般的な結婚生活が可能だろうか?
(ちなみに、20代の300万円台半ばをドル換算すると、1ドル150円で約2万3000ドル。これに対して、アメリカの20歳〜24歳の平均年収は約3万8000ドル、25歳〜34歳が約5万3000ドル。日本は著しく低い)
どう見ても、20代、30代のこの年収では、どちらか片方(ほぼ男)が働いて片方(ほぼ女)を養う、すなわち「昭和の結婚」はできない。また、共稼ぎをしたとしても、生活状態はアップアップである。
その結果、彼らの多くが結婚を諦めている。結婚するのは、(後述するが)年収が上位3割の層で、残りの7割の層にとって、結婚は「諦める」=「できない」ものとなっている。
■結婚相手の男性の理想年収は500万円以上
「年収と結婚に関する意識調査」というものが、いくつもある。それらを見ると、女性が男性の結婚相手に求める理想年収は500万以上、男性が女性に求める理想年収は300万以上というのが相場となっている。
しかし、実際に結婚したカップル(既婚者)の調査だと、多くの男女が理想年収以下の相手と結婚している。
日本の給与所得者(全世代)のうち年収500万円以上の人間は約3割強。これは全体の約3人に1人の割合で、平均給与が443万円である。このことから言えるのは、年収500万円というのは比較的高水準といことだ。
これを20代で見ると、年収500万円以上は8.3%から9.6%となり、10人に1人弱。さらに30代で見ると、全体の約26%で、10人に3人弱となる。
また、「結婚生活で余裕を感じられる世帯年収はいくらぐらいか?」という調査があるが、その結果は、最低が800万円以上で、1000万円以上が中心を占めている。
しかし、日本の給与所得者(全世代)のうち、年収1000万円を超える割合はわずか約5.5%。おおよそ18人に1人しかいない。
これでは、ほとんどの若者が理想の結婚はもとより、満足がいく結婚など望むべくもない。
■「ナシ婚」「ジミ婚」「スマ婚」が増えている
このような、若い世代の貧困化は、いまや止めようがなくなっている。それでも、結婚する若者はいる。しかし、彼らは、結婚式をしなくなったり、結婚式におカネをかけなくなったりしている。
最近の結婚のトレンドは、入籍だけで結婚式をしない「ナシ婚」、身内、内輪だけで結婚式、報告会をする「ジミ婚」、結婚式はするができるだけおカネをかけない「スマ婚」(スマートな結婚)である。
経済産業省の統計を見ると、結婚式場業の取扱い件数や売上高は年々減少しており、ブライダル・マーケットは縮小を続けている。結婚式式場の倒産も相次ぎ、結婚式専門だった式場も、いまではレストランやパーティーなどバンケット部門を強化して生き残りをはかっている。
また、結婚式をやっても、そのことが友人知己に迷惑をかけるという現実問題もある。たとえば、こんな声もある。
「結婚式に呼ばれると大変なんです。ご祝儀に最低3万円は包まないといけない。それに、服装代、ヘアメーク代もかかります。正直、会社の同僚、ちょっとした友達程度で呼ばれるのは、本当に迷惑です」
