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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第2782回 中国の統計の嘘と金欠の中露
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ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2022090708290199107 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     渡邉哲也の今世界で何が起きているのか          2022/09/07         第2782回 中国の統計の嘘と金欠の中露 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★新刊のご案内★ ■安倍晋三が目指した世界 日本人に託した未来 9月5日発売 https://amzn.to/3AwV8JW ★急激な円安が進んでいます。米国の非製造業指数が上昇し、リセッションの確率が低下、雇用環境もひっ迫しており、利上げが強まる予想が出ているからです。繰り返しになりますが、FRBの政策目標は、「物価の安定(2%程度)」と「雇用の最大化」、雇用に問題がないため、利上げで物価を抑えるわけです。それに対して、日本は量的緩和の継続の予定ですから、金利差が生じ、ドルに換えて運用する動きが強まる。結果、円安になるわけです。 ■米ISM非製造業指数、8月は56.9に上昇 インフレ圧力は緩和 https://jp.reuters.com/article/usa-economy-services-idJPKBN2Q71JE?il=0 ■米労働長官、人手不足は「インフレ以上の脅威」-移民制度見直し必要 B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-06/RHSV01T0G1KY01?srnd=cojp-v2 ★とても面白い分析記事です。 ■中国が自慢する対中投資増加、実際は「外国」ではなく香港経由が大半 B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-06/RHRM60T0G1KW01    中国は、海外上場などを規制しており、中国企業の海外での活動も米中対立などで縮小傾向にあります。また、習近平は、香港から深センや上海に主要市場を移そうとしており、本土での上場が増えている。統計のマジックですが、貿易統計は「香港」と「中国」は別であり。香港から中国本土への投資は海外からの投資にカウントされる。香港に拠点を持っている、又は持っていた中国企業が本土に投資(移転)した場合、外国からの投資に分類されるのです。また、不動産デベロッパーなども香港で上場している企業が多く、特に海外に投資又は債券発行していたデベロッパーは香港籍の企業も多い。債券のデフォルトもあり、海外資産の多くを売却し、母国に戻しているわけです。  つまり、見た目上の対中投資の増加は、実は中国の西側社会とのデカップリングと不動産バブル崩壊が導いた可能性が高いということになります。要は海外との関係が深まっているのではなく、切り離しが進んでいるということなのです。  表向き潤沢に見える中国の外貨準備ですが、ここにも大きなトリックがあり、国と中央銀行(人民銀行)だけでなく、国有銀行の「顧客の保有外貨」が外貨準備にカウントされている。これは中国企業の海外活動や海外で得たドルは国有銀行に預けるルールとなっており、中国企業は政府の許可がない限り、国内では人民元でしか引き出せない。企業は外貨での借り入れも行っており、不動産デベロッパーがその典型ですが、外貨の返済には、国有銀行に預けている外貨を使う、つまり、民間の債務の返済で外貨準備が減るのです。また、一帯一路など外貨で海外に貸し出している資産も、共通枠組みで債務整理した場合、戻ってこない可能性も高い。  そんな中、ロシアがガス代金の人民元払いを認めました。中国としては人民元はいくらでも刷れるので願ったり叶ったりでしょうが、その価値がどこまで維持できるかは別の話です。また、ロシアの現状は明らかなモノ不足に陥っており、外資の撤退と輸出規制でものを作れなくなっている。維持されているルーブルも、目先のエネルギー決済需要のおかげであり、規制がかかっているため問題になっていないだけで、国内の外貨は枯渇を始めている。ロシア中央銀行などの資産凍結で、外貨を動かしたくても動かせないのです。額面上は存在するが、それを動かせない。  自動車や航空機なども部品が手に入らない状態にあり、航空機は共食い整備で無理やり動かしている状態、これは各種機械なども同じであり、ノルドストリームで問題となっているタービンがその典型です。汎用品はまだ余裕があると思われますが、特殊な部品は徐々に枯渇してゆくことになります。中国から購入するという方法はありますが、その場合、中国企業などが制裁の対象になってしまう。中国が売ってくれないので、北朝鮮から砲弾を買うわけです。 ■英国のトラス新首相、ウクライナ大統領と電話会談 支援確約 https://jp.reuters.com/article/britain-truss-zelenskiy-idJPKBN2Q71ZI?il=0 ■【ウクライナ】ロシアが悲観的経済予測認める、中国向けガス契約変更 B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-06/RHR86TT1UM0X01?srnd=cojp-v2 ■EU、ロシア産ガス価格上限を討議 9日にエネルギー相会合 https://jp.reuters.com/article/eu-energy-spain-idJPKBN2Q71G3?il=0 ■中国ガス支払い、ドルからルーブル・人民元に変更へ=ガスプロム https://jp.reuters.com/article/russia-gas-gazprom-china-idJPKBN2Q71BW?il=0 ■ロシア、個人投資家の外国株売買を段階的に制限へ https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-investors-idJPKBN2Q71G9?il=0 ■ロシア、航空業界への緊急支援を拡大へ=報道 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-aviation-idJPL6N30D0DP?il=0 ■ロシア、北朝鮮から砲弾購入 米当局者が米紙報道を確認 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-northkorea-idJPKBN2Q708W?il=0 ■中国、中核技術の飛躍的発展へ国家主導体制強化=習国家主席 https://jp.reuters.com/article/china-tech-idJPKBN2Q71G7?il=0 ■仏議員団が今週訪台、蔡総統とは会談せず 米議員団も訪問 https://jp.reuters.com/article/taiwan-france-idJPKBN2Q711N?il=0 ─────────────────昨日の市況──────────────── ■東京マーケット・サマリー(6日) https://jp.reuters.com/article/idJPL4N30D16D ■アジア株式市場サマリー:引け(6日) https://jp.reuters.com/article/idJPL4N30D1KN?il=0 ■欧州市場サマリー(6日) https://jp.reuters.com/article/europ-mart-sum-idJPKBN2Q71VE?il=0 ■NY市場サマリー(6日)ドル・利回り上昇、株式下落 https://jp.reuters.com/article/ny-markets-summary-idJPL4N30D3HM 『出展 記載なきものロイター Bブルームバーグ』 ────────────────────────────────────── 本メールマガジンに対するご意見、ご感想は、本メールアドレス宛に返信を お願いいたします。 ────────────────────────────────────── ■ 有料メルマガの購読や課金に関するお問い合わせはこちら   ⇒ info@foomii.com ■ 購読アドレスの変更、配信停止はこちら   ⇒ https://foomii.com/mypage/ ──────────────────────────────────────            著者:渡邉哲也(作家・経済評論家)         ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/          Twitter:http://twitter.com/daitojimari    メールアドレス:info@watanabetetsuya.info ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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