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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

再送 第2702回 エネルギーデカップリングのこれから 5月15日ロシア向けサービス停止
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ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2022061712585195803 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     渡邉哲也の今世界で何が起きているのか        2022/04/26 再送第2702回 エネルギーデカップリングのこれから 5月15日ロシア向けサービス停止 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本日のメルマガで利用した過去記事、新規契約の方のために、4月26日分のメルマガを再送します。 ★3月3日の米国輸出管理(EAR)強化に伴い、油田・ガス田の電線・坑井装置やガス分離装置の関連機器・材料等の約 20 種の品目が、輸出、再輸出、及び国内移転の規制対象になりました。また、3月11日のG7(EU諸国を含む)共同声明により、各国の制裁が連動することになり、ワッセナーアレンジメント加盟国など37か国が連動し制裁を課すことになりました。また、EU側も別途規制を行っており、産油、産ガスサービス大手3社は、補修用部品等の提供とロシア向けの新規契約停止と段階的停止(5月15日まで)を発表しています。  このため、ロシアの油田、ガス田、製油施設、パイプラインは段階的に機能不全に陥ることになります。ロシアのエネルギー産業は、西側の産油サービス会社の技術とサービス会社とエネルギーメジャーのオペレーションで成り立っています。このため、サービス会社、メジャーの撤退は、エネルギ―生産を不可能にします。ロシアの技術だけでは生産の継続ができないわけです。  そんな中、ウクライナ国境近くのブリャンスクの石油貯蔵施設で大規模な火災が発生しました。この石油貯蔵施設はドルジバ石油パイプラインに供給するための石油貯蔵施設であり、南線はウクライナ、スロバキア、チェコ、ハンガリーへ向かい、北線はベラルーシを横切りポーランドとドイツに石油を供給するものです。 今回の火災により、各国へのパイプラインを通じた石油供給が停止する可能性も高まっています。 また、西側規制により、施設の復旧作業は困難になる可能性が高いです。  ウクライナの関与は不明ですが、サービス会社の撤退に伴い各施設のオペレーションと補修が困難になりつつあり、これが火災事故につながった可能性もあります。ロシアの産油産ガス、パイプライン、製油施設は老朽化しているものも多く、厳しい環境と相まって、補修不全が事故につながりやすい。また、古い油田などは油量の減少で水攻法※1などを利用して、産出量の調整を行っており、この技術はサービス会社が保有しています。現在の石油やガスの埋蔵量及び利用可能量の増加は、採掘技術の発展がもたらした部分が大きく、この技術を保有するのがサービス会社という構図になっているのです。 そして、5月15日の完全撤退により、ロシアのエネルギー輸出はさらに大きな影響を受ける可能性が高いといえます。  尚、日本政府が権益にこだわるサハリン1に関しても、オペレーターであるエクソンが停止のプロセスを開始しており、サハリン2もシェルが停止に向けて動いています。このため、ロシアは中国のオペレーション技術を持つ資源企業に権益を売却しようとしています。それは産油、産ガスの継続のためのものでもあるわけです。しかし、米国及びG7の輸出管理強化で、既存設備の補修部材が手に入らないだけでなく、国内移動も禁止されているため、補修用部材がなくなり次第停止する可能性も高く、制裁やぶりにより調達した場合、その企業が二次的制裁を受ける可能性もある。  ロシア政府の財源の約4割が石油やガスなどエネルギー関連の販売益、これが失われれば、経済的な内部崩壊につながる。しかし、それは西側各国も大きなダメージを受ける諸刃の剣でもある。しかし、それは段階的なサプライチェーンの組み換えや代替地域からの確保などにより、緩和方向に進むわけです。この時間差と価格差が最大の問題であり、これをどのように緩和するかが問題となります。  一つの解決策としては、米国のシェール開発の完全再開であり、欧州でのシェール開発の促進ということになるのでしょう。また、停止している石炭採掘などの再開も必要になるのだと思います。但し、これは米国民主党左派、欧州左派の反対も強く、政治的な争点にもなります。  基本的に、鉱山というのは、各鉱山の産出コストに比例して稼働します。鉱物価格が安くなると、高いコストの鉱山は休山となり、高くなると再び採掘が再開される。そして、これが価格をバランスさせる。特にシェールなどは、比較的開発が容易であり、生産調整も可能なエネルギーです。すでに、米国内でのシェール採掘も強化されており、予想よりも前倒しでロシア産エネルギーへの依存比率が低下する可能性もあります。 ■米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週連続増=ベーカー・ヒューズ https://jp.reuters.com/article/usa-rigs-baker-hughes-idJPL4N2WM005 ■水攻法 ※1 JOGMEC https://oilgas-info.jogmec.go.jp/termlist/1000971/1000976.html 過去記事JETRO ■米石油サービス大手ベーカー・ヒューズなど3社、ロシア事業の新規投資停止 2022年03月22日 https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/03/ead664abfcdf6123.html ■米石油大手エクソンモービル、ロシア天然ガス・石油採掘「サハリン1」停止のプロセス開始 2022年03月02日 https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/03/60cbfeace5bfa2de.html   ■ドルジバパイプライン https://bit.ly/3xRPXoh ■北京市、大規模コロナ検査を12区に拡大-4月26日~30日 B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-25/RAWIGDDWX2PS01?srnd=cojp-v2 ■上海当局、コロナ感染者の住宅周囲にフェンス 住民の不満噴出 https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-idJPKCN2MG0MI?il=0 ■習氏は経済よりイデオロギー優先、中国株下落が映し出す投資家の懸念 B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-25/RAWBLNDWRGG001 ■中国、元安阻止に動く-外貨預金準備率を1ポイント引き下げへ B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-25/RAW82VDWLU6Z01?srnd=cojp-v2 ■ロシア西部の石油貯蔵施設で大規模火災、ウクライナ国境近く https://jp.reuters.com/article/russia-fire-oilstorage-idJPKCN2MH0HF?il=0 ■ロスネフチ原油入札に応札なし、ルーブル払いが影響=市場筋 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-rosneft-oil-idJPL3N2WN2WP?il=0 ■米ハリバートン、ロシア資産3.4億ドルに差し押さえリスク https://jp.reuters.com/article/halliburton-russia-idJPL3N2WN0V1?il=0 ロシア事業の停止と既存事業の段階的縮小を表明。22日付の開示資料では、米国、英国、スイス、欧州連合(EU)の制裁に従い、これらの契約は5月15日に終了する ■米、対ロシア追加制裁の公算=ホワイトハウス https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-biden-sanctions-idJPKCN2MH1O3?il=0 ■ロ、独外交官ら40人追放 報復措置 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-germany-idJPKCN2MH1B1?il=0 ■焦点:ロシア教育現場に政権プロパガンダ、拒む教師には「報復」 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-schools-idJPKCN2MD0DI?il=0 ■訂正-米、中国軍常駐なら相応の措置 安保協定巡りソロモン諸島に警告 https://jp.reuters.com/article/solomon-islands-security-idJPKCN2MG0NL?il=0 ■イーロン・マスク氏、ツイッター買収で合意-440億ドル B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-25/RAWSKPDWX2PU01?srnd=cojp-v2 ─────────────────昨日の市況──────────────── ■東京マーケット・サマリー https://jp.reuters.com/article/tokyo-markets-idJPKCN2ME0N1?il=0 ■アジア株式市場サマリー:引け(25日) https://jp.reuters.com/article/idJPL3N2WN1DG?il=0 ■欧州市場サマリー(25日) https://jp.reuters.com/article/idJPL3N2WN37T?il=0 ■NY市場サマリー(25日)ドル2年ぶり高値、ナスダック急伸https://jp.reuters.com/article/ny-markets-summary-idJPL3N2WN3KX 『出展 記載なきものロイター Bブルームバーグ』 ────────────────────────────────────── 本メールマガジンに対するご意見、ご感想は、本メールアドレス宛に返信を お願いいたします。 ────────────────────────────────────── ■ 有料メルマガの購読や課金に関するお問い合わせはこちら   ⇒ info@foomii.com ■ 購読アドレスの変更、配信停止はこちら   ⇒ https://foomii.com/mypage/ ──────────────────────────────────────            著者:渡邉哲也(作家・経済評論家)         ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/          Twitter:http://twitter.com/daitojimari    メールアドレス:info@watanabetetsuya.info ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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