ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2022032118195992415 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2022/03/21 特別公開 第2676回 ロシアはいつまで戦えるか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★3/23(水)13:15~14:15 【渡邉哲也show特別版】渡邉哲也×高市早苗 https://bit.ly/3wEpSsr 生放送予定 夜間に一般公開予定です。 最新刊、図解でわかりやすい教科書仕様です。 ★新しいビジネス教養「地経学」で読み解く! 日本の経済安全保障 https://amzn.to/3JuSpnx ★渡邉哲也の今世界で何が起きているのか https://foomii.com/00049 定期購読いただけると幸いです。 ロシアはいつまで戦えるか ロシアの兵站問題 ロシアは穀物輸出国であり、基本的な食料を国内で生産できます。また、ガスや石油などエネルギーも輸出国であり、エネルギー問題もないように見えます。しかし、それは表面上の数字であり、実態は大きく異なります。 ■第7号特別分析トピック?ロシアの農産物貿易とコロナ感染拡大の影響 農水省 https://bit.ly/3JuC42q 現在、ロシアは穀物の輸出を停止しています。これは穀物不足が懸念されているからです。例えば小麦の収穫は7-8月、収穫済みの小麦の国内需要予定分以外は既に殆どが輸出済みなのです。そして、加工食品として輸入される食料が入ってきません。例えばパスタやビスケットのような製品が入って来ないのです。つまり、その分が足りません。また、8月に植える種の問題もあります。ソビエト崩壊以降、西側の技術によりロシアの農業生産性は比較にならないほど上がり、穀物輸入国から輸出国へと変貌しました。 その理由は効率的な農業と品種改良された種です。多様な農業機械の導入と収穫量が多く、病害虫に強い品種の種、これらは取れた種を植えても発芽しなかったり、先祖返りしてしまうF1種と呼ばれるものです。カーギルやADMなど穀物メジャーが扱っています。つまり、毎年買うしかないのです。また、農業機械も同様で、メインテナンスが出来なければ機械が使えない。大型農機の場合、リースも多く、最新のものは遠隔で起動停止にできる。 ■カーギルとADM、ロシア事業縮小 不可欠な食料事業は継続 ロイター https://www.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-cargill-idJPKCN2LB0DG そして、今、ロシアでパニックになっているのが、砂糖です。ロシアは砂糖大根(テンサイ)の世界一の輸出国です。しかし、同様の理由ですでに国内需要予測を超える分は輸出されてしまっている。そして、お菓子など製品化されたものは入ってこない。ロシアのテンサイの種の95%が欧州からの輸入であり、特殊なパレット状の種になります。そして、テンサイは二年草であり、最低二年は種が取れない。さらに優良な種を作るには6年間必要なのです。そして、その技術もありません。 現在、大手グローバル食品メーカーであるネスレとマースは営業を継続する意思を示していますが、すでにハインツは事業を停止しており、ネスレは厳しい批判にさらされています。また、現在のところ決済ができていますが、これがいつ止まるかわからないわけです。お金がもらえなくなれば事業を行うことはできませんし、株主から背任で訴えられるリスクもある。 ■各国企業が相次ぎロシア事業を停止、一部は継続を表明 YAHOO https://news.yahoo.co.jp/articles/0e671baa783bee463f55f4dda53d0836501831ad ■スイス銀のロシア口座凍結を 大手企業の事業継続も批判―ウクライナ大統領 時事 https://www.jiji.com/jc/article?k=2022032000159&g=int また、ガスや石油も同様であり、ガス石油採掘大手三社が事業を停止しました。影の石油メジャーともいえる会社であり、この三社のサービスを受けられなければ、新規の油井の開発だけでなく、産油にも影響が出てきます。また、消耗品や補修用部材の提供も停止したとのことですので、順次稼働に問題が生じるものと推測できます。 ■米石油・ガス採掘大手がロシア事業停止 新規開発に影響も 共同 https://www.47news.jp/localnews/prefectures/hokkaido/7551345.html 詳しく知りたい方は『知られざるシュルンベルジェの実像』で検索ください。掲載期間終了で元記事が消えています。 ソビエト時代からロシアに代わり、壁がなくなりグローバル企業が入り込み気が付かないうちに資本主義の毒に侵されていたわけです。そして、これがロシアを豊かにしていた。 これらの状況を考えると、ロシアが戦争を継続できても夏までであり、早い段階で国際社会から経済制裁を緩和してもらえなければ、国民が飢えに苦しむと予測できるわけです。共産主義国でありプーチンの独裁国家ですから、国民の飢えを無視して戦争を継続する可能性は否定できませんが、自由を知ったロシア国民がそれを許すかはわかりません。また、軍部も一枚岩ではなく、プーチンの指示にいつまで従うかわからない。だからこそ、プーチンは必死であり、裏切り者の処分を明示し、強気の姿勢を示しているのだと思います。 ★渡邉哲也の今世界で何が起きているのか https://foomii.com/00049 定期購読いただけると幸いです。 ────────────────────────────────────── 本メールマガジンに対するご意見、ご感想は、本メールアドレス宛に返信を お願いいたします。 ────────────────────────────────────── ■ 有料メルマガの購読や課金に関するお問い合わせはこちら ⇒ info@foomii.com ■ 購読アドレスの変更、配信停止はこちら ⇒ https://foomii.com/mypage/ ────────────────────────────────────── 著者:渡邉哲也(作家・経済評論家) ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/ Twitter:http://twitter.com/daitojimari メールアドレス:info@watanabetetsuya.info ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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