Foomii(フーミー)

渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第2088回 グローバリズムの終焉 鎖国と分断
無料記事

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2020041308283465453 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     渡邉哲也の今世界で何が起きているのか     2020/04/13      第2088回 グローバリズムの終焉 鎖国と分断 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★世界のニュースはコロナ一色であり、コロナ問題の解決なき状況では世界経済は動かない。欧米の経済活動も一時停止状態であり、世界経済の中心であるNYや金融の中心であるロンドンもほとんど動いていない。日本も緊急事態宣言以降、活動の停止が拡大しており、終息はまだ見えていない。但し、多くの国でピークアウトの予兆は見えてきており、これはよいことであるが、今回のウイルスの場合、無自覚感染者の存在と潜伏期間の長さがその収束を難しくしている。また、完全に終息させなければ、第二波が生まれる恐れもあり、これが活動再開を非常に難しくしている。  そして、これは各国の鎖国の期間を長期化させる要因になる。感染者が存在する地域からの渡航者を入れれば、再感染が始まるリスクが存在し、感染が終息しない地域の分断が継続するからである。このような場合、有利なのが島国であり、海洋国家ということになる。国境を閉鎖しやすく、人の管理をしやすいからである。  日本も4月3日以降、すべての外国からの渡航者の受け入れを中止した。日本との直行便がある地域からの渡航を禁止し、ノービザ渡航を停止、4月2日までに発行された一次、数次のビザを無効化したわけである。これにより、日本人と邦人家族、特別永住者、定住者以外の入国はできなくなった。また、入国時に全員に対してPCR検査を実施し、結果が出るまで空港や指定したホテルに滞在させ、安全が確認されたのち14日間の自主隔離を求める形をとっている。  現在、海外特に欧米ではウイルス蔓延の原因となったアジア人の排斥が激しくなっており、日本企業なども海外の駐在員の帰国を命じ始めている。このため、邦人と邦人家族の帰国が増えているが、航空便の減便や休止により、帰国が難しい状況も生まれている。特にアフリカなどの地域はもともと直行便が少なく、外務省はカタール航空に運航の継続を依頼し、利用を推奨している。 ■外務省、カタール航空の活用呼び掛け 中東・アフリカの邦人に https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200410-00000015-jij-pol  この件に関して、4月になり、中国人の入国が3000人などというデマを流している人がいるが、中国人だけでなく、すべての外国からの邦人家族がそのほとんどであり、4月3日以降は、これまで審査対象外であった欧米地域が審査対象になったために、審査件数が増えたに過ぎない。  現在入国できるのは、邦人家族と特殊なビザ(航空機などの乗員ビザや外交官ビザ)を保有する人だけであり、国際ルールに基づく最低限の入国以外認めていない。  また、航空機を停止しろなどという暴論を述べる人がいるが、これは大きな間違いであり、航空機は人だけでなく、モノを運ぶ手段でもあることを知るべきである。世界の航空機は人とともに貨物を運んでおり、特に航空機で運ばれる荷物は、親書や医療品など緊急性が高いものが中心で、これが止まると日本の基礎的な活動に大きな影響が出るのである。  その最たるものが医薬品の原薬や中間品であり、中国やインドがその中心であり、一部で輸出の停止の動きが出ているため、国際的に大きな問題になっているわけだ。日本政府や製薬会社などは、国産化と他国からの代替え調達を進めており、一部で国内での生産再開が進んでいる。また、マスクも同様で原料となるMB不織布の海外への生産移転が今のマスク不足を呼んでおり、国内での生産移転が重要になっている。  今回の問題であるが、島国である英米や日本が終息しても、アフリカなど新興国と陸つながりの大陸の終息はかなり先になるものと思われ、この期間に分断がさらに進むと思われる。これを解決するには、治療法と治療薬の確立が重要であり、まずはアビガンなど効果が認められている薬剤の利用、その後にワクチンなどの開発ということになる。 ■生き残りをかける航空会社、旅客機で貨物輸送-新型コロナで非常手段 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-26/Q7RX8RDWRGG301 ■英国の新型コロナ感染症による死者、1万人に近づく 世界5番目 https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-britain-idJPKCN21U068?il=0 ■米国の新型コロナ感染症死者、世界最多に 2万人突破 https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-idJPKCN21U03O?il=0 ■FRB緊急策は州・地方政府資金繰りの「命綱」に、市場は概ね好感 https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-municipals-idJPKCN21S0LF ■トランプ氏、イタリアの新型コロナ対応支援を指示 政権幹部に https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-italy-idJPKCN21T07L?il=0 ■米、メキシコの原油減産肩代わりへ トランプ氏らが合意 https://jp.reuters.com/article/mexico-politics-oil-idJPKCN21S256?il=0 ■伊首相、5月3日まで都市封鎖延長 ユーロ圏コロナ対策の規模は「不十分」 https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-italy-conte-idJPKCN21T08B?il=0 ■アングル:ドイツ式コロナ戦略、「感染者ゼロ号」から徹底追跡 https://jp.reuters.com/article/idJPKCN21T00Z?il=0 ■アングル:乗客は1人だけ、それでも飛ぶ米航空業界の苦境 https://jp.reuters.com/article/idJPKBN21O0SR?il=0 ■トランプ氏、米軍駐留費巡る韓国案拒否 13%の負担増 https://jp.reuters.com/article/usa-southkorea-trump-defense-idJPKCN21S25E ■米プルデンシャルが韓国撤退、KB金融Gに18.9億ドルで部門売却 https://jp.reuters.com/article/prudential-finl-kb-financial-sale-idJPKCN21S0MD ■中国の甘粛銀行、国有企業向け300億元融資で合意 資本注入報道も https://jp.reuters.com/article/china-banks-bank-of-gansu-idJPKCN21S11H ■島津製作所、新型コロナウイルス検出試薬キットを4月20日に発売 https://jp.reuters.com/article/shimazu-coronavirus-idJPKCN21S0OI?il=0 ■ソフトバンクG、中国BYD社と提携しマスク製造へ-月産3億枚 B https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-11/Q8MGMMDWRGG801?srnd=cojp-v2 ─────────────────昨日の市況──────────────── ■東京マーケット・サマリー(10日) https://jp.reuters.com/article/tokyo-market-summary-idJPKCN21S0X3?il=0 ■アジア株式市場サマリー:引け(10日) https://jp.reuters.com/article/idJPL3N2BY1N0 ■欧州株式市場=グッドフライデーのため休場 https://jp.reuters.com/article/idJPL3N2BY2BJ?il=0 ■米国株式市場=グッドフライデーのため休場 https://jp.reuters.com/article/idJPL3N2BY28F 記載なきもの出典 ロイター Bブルームバーグ ────────────────────────────────────── 本メールマガジンに対するご意見、ご感想は、本メールアドレス宛に返信を お願いいたします。 ────────────────────────────────────── ■ 有料メルマガの購読や課金に関するお問い合わせはこちら   ⇒ info@foomii.com ■ 購読アドレスの変更、配信停止はこちら   ⇒ https://foomii.com/mypage/ ──────────────────────────────────────            著者:渡邉哲也(作家・経済評論家)         ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/          Twitter:http://twitter.com/daitojimari    メールアドレス:info@watanabetetsuya.info ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年4月19日に利用を開始した場合、2024年4月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年5月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する