… … …(記事全文2,933文字)<ブタジエンゴムの供給不安を消化する天然ゴム>
イラン戦争は世界経済に大きな不確実性をもたらしているが、ゴム市場もその例外ではない。原油価格の高騰は、一般的にゴム相場の値上がり要因になる傾向が強い。原油価格が上昇すれば、合成ゴムの原料であるナフサ価格も上昇し、合成ゴムの値上がり圧力が天然ゴムの値上がりも促しやすくなるためだ。実際には、天然ゴムと合成ゴムの間で活発な需要バランスの修正が行われるわけではなく、実際に両者の間に大きな価格差が発生することも珍しくはない。それでも、ゴム需給とは異なるコスト環境の視点では、原油価格の動向は重視される傾向が強い。
その意味ではイラン戦争は合成ゴム相場の上昇を通じて天然ゴム相場に対しても押し上げ要因になりやすいが、今回は価格リスクと同時に供給リスクも抱えていることが、過去の原油高局面との大きな違いになる。イラン戦争の影響で中東からの原油・石油製品の供給が大きく落ち込む中、合成ゴムのリスクは価格環境にとどまらず、そもそも調達ができなくなるリスクも高まっている。こうした中、安定供給が見込まれる天然ゴムに対する評価が高まっている。
