… … …(記事全文3,341文字)<地政学リスクのプレミアムは一掃された>
NYMEX原油先物相場は6月23日の1バレル=78.40ドルで上げ一服となり、その後は64~65ドル水準に新たな取引レンジを形成している。6月はイスラエルとイランの軍事衝突、更には米軍のイラン核施設攻撃という地政学リスクを急激に高めるイベントが発生したが、原油相場を押し上げる動きは時間的にも価格的にも限定された。
米ゴールドマン・サックスは、ブレント原油価格に対してピーク時に15ドルの地政学リスクプレミアムが加算されたとするも、6月下旬にかけてはそれが1ドルまで縮小したと報告している。依然としてイスラエルとイランの間、そして米国とイランとの間では高いレベルの緊張状態が続いているが、地政学リスクのプレミアムは一掃されたとみて良いだろう。