□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年5月4日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 中国需要環境悪化でも崩れない原油相場、これから需給は更に混乱か =================================== <中国パンデミックが上値圧迫でも、下げ渋る展開に> NYMEX原油先物相場は、三角保ち合い相場を継続している。3月7日の1バレル=130.50ドルでピークアウトしたが、90~100ドルのレンジでは押し目買いを入れる動きが強く、明確な方向性を打ち出せずに高値圏を維持している。徐々に日々の値幅は抑制される傾向が強くなっているが、それでも瞬時に5ドル、10ドルと値が飛んでおり、安定したマーケット環境とは言い難い。それだけ、今後の需給環境に対して不透明感を警戒している向きが多いことが窺える。 現在の原油相場の値動きが不安定化している背景にあるのは、「需要不安」と「供給不安」と正反対のエネルギーが同時に発生していることだ。ロシア産原油の供給不安をどこまで織り込むのかを議論していたが、そこに主に中国の需要不安が加わったことで、原油市場における売買パワーバランスは一段と不安定化している。… … …(記事全文3,339文字)