□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年4月15日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== トウモロコシは9年7カ月ぶりの高値更新、不安定化する国際需給見通し =================================== <高騰が続くトウモロコシ相場> CBOTトウモロコシ先物相場は4月13日の取引で1Bu=786.25セントまで値上がりし、2012年9月以来の高値を更新した。年初の599.00セントからは最大で31.3%の上昇率が記録されている。原油など主要コモディティ相場はロシア軍のウクライナ侵攻後のパニック買いが一巡した状態になっているが、トウモロコシ相場はこうした中で早くも高値更新サイクルを再開しており、他コモディティ相場と比較しても地合の強さが際立っている。 底流にあるのは国際トウモロコシ需給のひっ迫懸念があるが、テーマは数多く存在している。第一に、ウクライナ情勢の影響がある。ロシア軍のウクライナ侵攻は2月24日に始まったが、それから7週間が経過しようとしている状態でも、戦闘状態は終結の目途が立たない状態が続いている。細かく見れば、首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗したロシア軍が東方戦線に主力をシフトしているといった動きも報告されているが、それが停戦合意に近づく動きなのか、停戦合意を遠ざける動きなのかは評価が難しい。ただ確かなことは、戦闘状態が続いている限りは黒海からの穀物輸出は困難であり、国際トウモロコシ需給バランスが不安定化する状態も長期化していることだ。… … …(記事全文4,081文字)