□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年4月12日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 中国コロナ規制が原油期近を圧迫する/EUは代替供給先なくしてロシア産禁輸か =================================== <中国の新型コロナの感染拡大で期近安> NYMEX原油先物相場は1バレル=100ドルの節目を割り込む展開になっている。3月7日に130.50ドルまで値上がりしていたが、その後はロシア軍のウクライナ侵攻を受けてのパニック買いが一巡し、持ち高調整中心の展開が続いている。ウクライナでは依然として激しい戦闘状態が続いており、西側諸国を中心に「脱ロシア」の議論が一段と活発化していることが下値をサポートしている。一方で、国際エネルギー機関(IEA)がウクライナ危機に対して2回目の協調備蓄放出を決めたこと、更に中国で新型コロナウイルスの感染被害が拡大し続ける中、期近限月を中心に持高調整のニーズも根強く、やや上値の重さが目立つ状況になっている。 マーケットの関心が徐々に高まっているのが、中国の新型コロナウイルスの感染被害の状況だ。2月下旬から3月上旬にかけて香港で大量の新規感染者が報告されたが、その後は深セン市、更に上海市へと感染被害は広がり続けている。中国政府は「ゼロ・コロナ」政策を採用しており、ロックダウン(都市封鎖)による人流の抑制、検査による感染者の発見、隔離措置による感染抑制を繰り返しており、上海市も当初は東西地域に分割してそれぞれ4日間のロックダウンで感染被害を抑制することを目指していた。しかし実際には、3月28日のロックダウン開始から2週間が経過したものの、逆に感染被害が拡大し続けている状況にある。… … …(記事全文3,959文字)