□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年3月2日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== ロシアからの供給不安でPGM堅調、脱ロシアならプラチナの未来に追い風 =================================== <脱ロシアの影響が出始めたPGMと非鉄金属> ロシアのウクライナ侵攻、それを受けての欧米などの対ロシア経済制裁の動きからエネルギー、穀物など広範囲にわたるコモディティ価格が高騰している。地政学リスクの高まりは世界経済の減速要因になるが、需要見通しの悪化よりも供給見通しの悪化が重視されているマーケットが多いためだ。ロシアで産出される資源は、世界のいずれかのサプライチェーンに組み込まれているため、ロシアからの供給断絶に備えた動きが活発化している。 プラチナとパラジウムも例外ではない。鉱山生産に占めるロシア産のシェアは、プラチナが約1割、パラジウムが約4割とあって、特にパラジウム相場の上昇圧力が強くなっている。現段階では、期近限月に対してプレミアムを加算するような動きが活発化している訳ではないが、それでも値位置は大きく切り上がっている。NYMEXパラジウム先物相場は、年初の1オンス=1,897.00ドルに対して、足元では2,600ドル台まで値上がりしている。また、プラチナ先物相場は、同968.70ドルに対して1,050ドル水準まで値上がりしている。… … …(記事全文2,953文字)