□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年9月22日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 冬の天然ガス価格に移行プレミアム、厳冬だとインフレと経済活動停止のリスク =================================== <LNG価格が高騰している> 世界で液化天然ガス(LNG)価格の高騰が続いている。アジアのスポット価格は、今年2~3月にかけて100万BTU=5ドル台で取引されていたのが、足元では20ドル台中盤まで値上がりしている。今年7月の15ドル台と比較しても、6割近い値上がりになっている。LNGは主に発電用エネルギーとして消費されているため、季節性の強いコモディティになる。このため、発電用需要が増える北半球の夏や冬に需要増大で価格上昇圧力が強まり易い一方、春や秋の穏やかな天候の季節には、需要抑制で価格も抑制される傾向にある。しかし今年は夏場の価格上昇圧力の勢いをそのまま維持しており、高値圏で冬の需要期に突入しそうな状況になっている。 大枠としてあるのは、旺盛な需要に対して供給対応に遅れがみられることだ。グローバルな排出量削減を目指す動きから発電用エネルギーとして石炭からLNGに対する需要シフトが発生している。脱炭素目標を達成するために、北東アジアのみならず欧州や南米も大量のLNG調達を行っている。… … …(記事全文4,203文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)