□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2021年9月13日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 年初来安値を更新したゴム相場、中国経済減速リスクの織り込み続く =================================== <中国経済減速への警戒感を織り込む> JPX天然ゴム先物相場は、9月10日の取引で1㎏=197.40円まで値下がりした。200円の節目を完全に下抜いたとまでは言えないが、昨年10月16日以来の安値を更新しており、ゴム相場のトレンドは依然として下向きであることが再確認されている。東南アジアで依然として深刻な新型コロナウイルスの感染被害はゴム供給に対してもリスクを高めているが、マーケットではそれ以上に需要サイドのリスクが重視される地合が続いている。 特に注目されているのが、中国経済の減速リスクだ。9月9日に中国の8月インフレ率が発表されているが、生産者物価指数が前年同月比9.5%上昇(前月は9.0%上昇)に対して、消費者物価指数は0.8%上昇(同1.0%上昇)となっており、経済の上流部門と下流部門とで、インフレ環境に極めて大きな違いが生じている。これは、原材料価格などの高騰で生じたインフレ圧力を、経済の上流部門がかなりの程度まで負担していることを意味し、経済活動が消費者レベルではなく企業レベルから減速するリスクを高めることになる。… … …(記事全文3,858文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)