□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年04月30日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 平成の金価格はどう動いたのか? 購買力の維持という観点ではパーフェクト =================================== <平成の金価格はインフレに勝利した> 1989年1月8日に始まった平成は、2019年4月30日を以て30年と113日で終了する。5月1日からは令和が始まるが、金市場にとって平成とはどのような時代だったのだろうか。 東京商品取引所(TOCOM)の金先物相場を期先ベースでみてみると、1グラム=1,698円で平成はスタートし、4月26日の最後の営業日では4,590円となった。平成の始めから終わりまで一貫して金を保有し続ければ、170.3%(2.7倍)のリターンを生み出した計算になる。30年と113日の投資リターンとしてこの数値をどのように評価するのかは難しい問題だが、比較対象の一つにインフレ率があろう。すなわち、日本の物価水準との比較になるが、2019年3月時点のインフレ率で計算すると、平成は16.9%のインフレ率であり、金はインフレ圧力には打ち勝つことができたと評価できる。インフレに対する購買力の保全という意味では、安全資産としての機能を十二分に果たした時代だったと言える。… … …(記事全文3,132文字)