□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年02月21日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== FOMC議事要旨でのドル買い・金売りはミス判断、金価格上昇の流れは変わらない =================================== <FOMC議事要旨公表後に金相場は軟化> 低調な米経済指標を手掛かりに金相場が騰勢を強める中、2月20日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月29~30日)は、この流れを加速させ得るイベントとして注目されていた。先週後半以降は米中通商協議の進展期待で株価が底固く推移する中にあっても、14日に発表された12月小売売上高、15日に発表された1月鉱工業生産などの重要指標の下振れ圧力が目立つ中、債券と為替市場では景気減速による米金融政策のハト派化を織り込む動きが活発化し、ドル安と米金利低下圧力が、株高と金相場高の共存環境を作り出していた。 この1月29~30日開催のFOMCでは、声明文から「幾らかの更なる緩やかなフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジの引き上げ」が適切との文言を削除し、その一方で政策調整には「忍耐強くあるだろう」と、追加利上げの判断を急がないスタンスを鮮明にしていた。その後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)の記者会見でも利上げ停止を強く示唆すると同時に、資産売却プログラムの修正についても検討が始まっていることが明らかにされ、議事要旨で更に強力な緩和メッセージが打ち出されれば、最近のドル安、米金利低下傾向が加速し、金相場は一気に上値を切り上げる可能性もあった。COMEX金先物相場は、2月14日の1オンス=1,304.70ドルをボトムに20日の取引では一時1,349.80ドルまで上値を切り上げており、20日引け後に公表されたFOMC議事要旨の結果次第では、一気に1,350ドル突破の機運が高まる所だった。… … …(記事全文3,879文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)