□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2019年01月10日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== WTI原油が50ドル達成、リバランスを担う「政策」と「価格」の均衡点を探る =================================== <サウジの英断が原油安にブレーキ> NYMEX原油先物相場は、昨年12月24日の1バレル=42.36ドルをボトムに、1月9日の取引では50ドル台を回復する展開になっている。昨年12月下旬には、1)減産合意の履行・効果に懐疑的な見方、2)グローバル経済の減速懸念を背景とした需要の下振れリスク、3)リスクオフの投資環境が原油相場の急落を促がしていたが、年明け後は一定の落ち着きを見せている。昨年10月3日の76.90ドルと比較すれば、大幅な値下り状態に変化はなく、自立反発との評価が基本になる。ただ、約1カ月ぶりの高値を更新しており、50ドルの節目を突破したことは、原油市場の弱気ムードが後退していることを示すシンボリックな動きと言えよう。 原油需給見通しに大きな修正を迫るような材料が浮上している訳ではない。依然としてグローバル経済の減速懸念は強く、大手金融機関も2019年の原油価格予想引き下げを余儀なくされている。ただ、1月1日から石油輸出国機構(OPEC)やロシアなどの減産対応がスタートする時期を迎える中、少なくとも短期スパンでは供給減少圧力が発生するとの見方が、原油安是正の動きに直結している模様だ。… … …(記事全文4,524文字)
