□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年10月12日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金市場でショート・スクィーズ発生も、本格的な資金回帰はまだ先か =================================== <何か隠れたリスクがあるのかという不安> 米国発の世界同時株安を受けて、世界の金融市場には強いストレスが掛かっている。ダウ工業平均株価は10月10日に3.1%安、翌11日に更に2.1%安となり、僅か2営業日で累計1,377.74ドル安(5.2%安)となっている。1日の下落率としては、2月5日の4.6%安、2月8日の4.2%安の方が大きく、今年197営業日の取引における3番目に大きな下落率に過ぎない。しかし、こうしたパニック的な急落相場は今年に入ってから2度目であり、株高サイクルが大きな転換期を迎えているのではないかとの懸念が広がりを見せている。 米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の縮小と同時に利上げサイクルを進めることで流動性供給の吸収に動き始める中、リスク資産価格が不安定化するのはある意味で当然と言える、来年夏には欧州中央銀行(ECB)の利上げも予定されており、潤沢な流動性供給に裏付けられた資産価格高が変調をきたすのは不可避である。ただ、底流にある株高を支援するファンダメンタルズに大きな変調がみられないのであれば、本格的な値崩れまでは要求されない。… … …(記事全文4,486文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)