□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年09月03日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 新興国通貨が下落したことで、ゴム需給見通しに生じた新たな影響 =================================== <新興国通貨安に脅える東南アジア> 今年8月は新興国通貨が突然の急落となり、同市場が極めて大きなリスクを抱えていることが露呈した。新興国通貨はトルコリラや南アフリカランドなどの高金利が日本の個人投資家にも人気であり、日本からの金利狙いの資金流入が通貨価値を必要以上に押し上げているとも言われる状況にある。一方で、高金利を提示しているのは海外からの資本流入を促すためには必要との判断に基づくものであり、資本環境が安定化していれば、当然に高金利を提示するような必要はない。すなわち、高金利は通貨価値の脆弱性をカバーするためのものであり、見掛けの金利メリットが通貨価値毀損によって容易に相殺されるリスクを抱えている。 特に今年は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルが年4回に達する可能性もあり、ドルが低金利状態からの離脱を打診する中、新興国通貨は不安定化し易い状況にある。9月25~26日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催分が控えているが、ここでは今年3回目の利上げが決定される可能性が高く、断続的に切り上がるドル金利に対して、新興国通貨に対する信頼性をどのように維持するのかは難しいテーマである。… … …(記事全文3,852文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)