□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年06月19日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 穀物に続いて原油も貿易戦争における中国の武器になる =================================== <中国が米国産原油輸入の停止・削減をちらつかせる> NYMEX原油先物相場は、5月22日の1バレル=72.90ドルをピークに6月5日の64.22ドルまで急反落した後、14日の67.16ドルまで緩やかなペースで安値是正を進めていた。石油輸出国機構(OPEC)やロシアなどの協調減産緩和に対する警戒感から投機筋の買い玉整理が進んだが、65ドル水準では値ごろ感から買いを入れる動きも見られ、下げ一服感が広がっていた。しかし、15日にトランプ米大統領が総額500億ドル規模の中国製品に対する課税方針を示すと、18日の63.59ドルまで改めて下値を切り下げ、未だ明確な底打ち感を形成するには至っていない。6月22~23日にはOPEC総会、更にはOPEC加盟国と非加盟国との協議が控えているが、それと同時に米中貿易摩擦のリスクも抱える中、不規則な値動きを迫られている。 トランプ政権が中国に対する制裁措置を発表したことを受けて、中国政府は同じ程度の強度の報復を宣言している。また、18日には中国側の報復の動きを受けて、トランプ大統領は更に2,000億ドル規模の中国製品に対して10%の追加関税を課すことの検討を米通商代表部(USTR)に指示したことが報じられている。米中双方が制裁・報復課税を繰り返す最悪の事態になれば、当然に米中双方の経済がダメージを受けることになり、株安、非鉄金属相場安などと同じ文脈で原油相場に対しても下押し圧力が発生している。… … …(記事全文4,347文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)