□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年06月18日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米中貿易摩擦がエスカレートする中での金価格急落を検証する =================================== <米中貿易摩擦で買われ、売られ> 米中貿易摩擦が急速にエスカレートしているが、安全資産の代表格である金価格に対しては、明確な追い風が確認できない状況が続いている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙などが早ければ6月15日にトランプ政権が対中経済制裁を正式決定すると報じると、当初の金価格は底固く推移していた。急伸こそ見られなかったが、1オンス=1,300ドル水準での根固めを進め、14日高値1,313.00ドルは、5月15日以来となる約1カ月ぶりの高値更新になっている。 その流れであれば、実際にトランプ米大統領が中国からの総額500億ドル相当の輸入に対する追加課税を発表し、中国が「同等の規模および強度」の報復課税を課すと発表する中、当然に金価格は一段高が想定される状況にあった。実際にマーケット全体をみてみると、株式や工業用素材市況は軒並み下押し圧力に晒され、米国債に対しては投資家の退避ニーズが集中したことが確認されている。各マーケットによって程度の違いはあるものの、リスク資産売り・安全資産買いの反応を見せており、まだ米中貿易摩擦のリスクは「材料出尽くし」とは評価されておらず、金価格に対しては買い材料を提供していることが確認できる。… … …(記事全文4,356文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)