□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年10月16日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。OPECとIEAがそれぞれ発表した10月月報の解説です。重要と思われるポイントを取り上げて、その評価を行います。 =================================== OPEC月報とIEA月報のポイント、需給タイト化のリスクも指摘され始める =================================== <需給タイト化リスクに踏み込んだOPEC月報> 10月11日に石油輸出国機構(OPEC)、12日に国際エネルギー機関(IEA)からそれぞれ最新の月報が公表された。NYMEX原油先物相場は6月21日の1バレル=42.05ドルをボトムに10月は50ドル台確立を打診する展開になっている。まだ50ドルの節目が支持線として確立するには至っていないが、国際原油需給のリバランスが進展しているマクロ需給要因が背景にある値動きである。こうした中、OPECとIEAが現在の需給環境、今後の需給見通しにどのような認識を抱いているのかはマーケットの需給評価に与えるインパンクとも大きく、両機関がどの様な報告内容を行ったのかを確認しておきたい。 まずはOPEC月報であるが、最も注目すべきポイントは、需給均衡化から更に踏み込んで需給タイト化のリスクも指摘し始めたことである。世界の石油需要拡大とOPEC加盟国・非加盟国の協調減産によって余剰供給の吸収が進んでいるとの基本評価は従来と大きな違いは見られない。ただ、この流れが維持される限りにおいては、冬に暖房油を含む石油精製品、来年には更に原油需給全体が引き締まるリスクも指摘されている。… … …(記事全文4,531文字)