□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年09月19日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金相場の短観です。地政学リスク、米インフレ環境、金融政策環境を中心に金相場の現状と今後のポイントを検証します。 =================================== 地政学リスクと金融政策評価に修正圧力、6月下旬の環境に近づく金相場 =================================== <地政学リスクは暴走を先送りへ> COMEX金先物相場は9月8日に1オンス=1,362.40ドルと年初来高値を更新する動きを見せていたが、18日の安値は1,308.10ドルに達し、僅か7営業日で最大54.30ドル(4.0%)の下げ幅を形成する急落地合に転じている。8月から9月にかけては北朝鮮情勢の不安定化が安全資産の観点から金相場を強く刺激したが、その後は北朝鮮情勢に対する警戒レベルを引き下げると同時に、米金融政策のタカ派評価を蒸し返す形で、8月31日以来の安値を更新している。 とは言っても、北朝鮮を巡って何か大きな動きが見られた訳ではない。9月9日の北朝鮮建国は特に何もなく通過したとは言え、11日に国際連合安保理で北朝鮮に対する経済制裁が可決されたことを受けて、15日には改めてミサイル発射実験が行われている。飛行距離は過去最長の3,700kmと推計されており、北朝鮮からグアムの3,400kmを超えていることからは、いつグアム方面に対するミサイル発射が行われても不思議ではない状態にあることを再確認させる動きと言える。… … …(記事全文4,821文字)