□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年07月24日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。プラチナ相場はついに1,000ドルの節目を割り込みました。価格連動性の強い金相場の急落、中国経済の減速懸念などが主な下押し材料ですが、今回はこうしたプラチナ相場の急落に対してどのようにすればブレーキを掛けることができるのかを検証します。この相場急落に鉱山会社はどのように対応していく意向なのか、幾つか角度を変えて最新状況をレポートします。 =================================== 価格低迷でも増産計画のプラチナ鉱山会社、「合成の誤謬」が発生中か? =================================== <コモディティ市況からの資金流出加速> トムソン・ロイター傘下の投資情報会社リッパーは、7月22日までの1週間にコモディティ・貴金属市場で運用を行う米国ファンドからは、総額7億7,900万ドル(約965億円)のマネーが流出したと報告した。1週間の資金流出額としては2013年終盤以来で最大とされており、主に金価格の底打ち論を背景に金先物を購入していた向きが、ポジション縮小・撤退を余儀なくされている模様だ。 先週後半以降の貴金属市場はパニック的とも言える急落相場になっており、ギリシャ債務危機時でさえ殆ど動きを見せなかった金ボラティリティ指数(GVZ)も、当時の13~15ポイント水準に対して足元では3月中旬以来の高値となる20ポイント水準まで急伸している。実際にどのようなマネーフローが発生したのかはこれから徐々に明らかにされる見通しだが、金価格の底入れ期待が強くなっていたこと、それに対応して(主に金市場で)買いポジションを構築する動きが広がっていたこと、そしてこうしたマクロ見通しが完全に裏切られた衝撃がマーケット全体に広がっていることが窺える状況にある。… … …(記事全文4,615文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)