□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年02月05日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。 年初からの金価格動向について再検証します。今年の金価格は年明け直後から急伸地合を形成しましたが、その後はやや失速気味の状況です。金価格の底打ち論も再び強くなっているようですが、金市場における各種材料をどのように評価すべきなのか、当メルマガの考え方を紹介します。ギリシャ債務問題を中心に、金市場の視点から最近のイベントをレビューします。 =================================== 金価格のダウントレンドにおける、基調転換材料と一時的買い材料の違い =================================== <ギリシャ2月危機説、3月危機説> COMEX金先物相場は、昨年末の1オンス=1,184.10ドルに対して1月22日には1,307.80ドルまで値位置を切り上げ、昨年8月15日以来の高値を更新した。約5ヶ月ぶりの1,300ドル台回復とあって、強気派からは改めて金価格の底打ち論を提起する動きが強まったが、その後は短期筋の利食い売りが膨らみ、足元では1,200ドル台中盤から後半に新たなレンジを形成しつつある。年初から急増していた取組高も、その増加分の約三分の一が解消された状況にあり、売り再開は見送られているものの、上昇期待が薄れていることが窺える状況にある。 原油相場の急落は世界政治・経済に大きな不確実性をもたらし、先行き不透明感を嫌った一部の投資家は、「安全資産」である金市場に資金を退避させる動きを見せた。シカゴのボラティリティ指数(恐怖指数)は昨年11月の12~15ポイント水準に対して、その後は15~25ポイント水準までレンジを切り上げている。特に具体的に差し迫った危機があった訳ではないが、例えば原油相場急落で産油国の政府系ファンドが世界各地の株式・債券・不動産などに投入していた資金を引き上げれば、金融市場は大きな混乱状態を迎えることになる。UAEのアブダビ投資庁、サウジアラビアのサウジアラビア投資庁などは、それぞれ7,500億ドル(約88兆円)の運用資産残高を有しており、中東全体の政府系ファンド合計では2兆7,000億ドル規模のマネーが、世界の資産価格を下支えしている。サブプライムローンでさえ07年時点の残高は1.4兆ドル前後と推計される中、オイルマネーの逆流に対する警戒感が強くなったのは当然と言える。… … …(記事全文5,481文字)
