□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2013年9月17日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。今年の中国の石油探索計画についての現状を確認した上で、IEA月報から石油需給バランスの現状と今後の見通しを検証します。シリアとリビアという2カ国の供給懸念・供給トラブルが原油価格を押し上げていますが、こうした中で再びサウジアラビアが調整弁としての役割を果たそうと積極的に動いています。想定していたよりも、原油価格に調整圧力が強まる時期が前倒しされる可能性もある状況です。現状と今後の展望を考察しましょう(3,284文字)。 =================================== リビアの原油供給トラブル、再び注目されるサウジアラビアという調整弁 =================================== 中国国営新華社通信は9月15日、中国政府が2013年に石油・ガスの探索事業に800億元(約1兆3,000億円)を投資する計画と報じている。政府統計によると、11年時点で既に673億元が同分野に投資されているが、今年は10年前の4倍を超える大規模投資が、石油・天然ガスの探索分野で費やされることになる。 新華社によると、8~11年の探索事業の成果として、既に原油50億トン(約370億バレル)、天然ガス2兆6,000億立方フィートが新たな確認埋蔵量に組み込まれている。しかし、同国の石油需給ギャップは毎年5~10%のペースで拡大を続け、エネルギー供給の海外依存度は既に4年連続で50%を超えており、直近の12年には57%に達している。中国政府がこうした状況に強い危機感を抱いていることが、石油・天然ガスの探査事業拡大を促している模様だ。 米国の場合だと、ブッシュ政権時代は再生燃料の増産による、脱石油戦略が採用されてきた。エタノールを筆頭に、風力や水力などをエネルギー供給に組み込むことで、「エネルギー=石油」の前提を打ち崩すことに注力されてきた。いわゆるクリーンエネルギー政策であり、当初はオバマ政権もこの政策を踏襲していた。その後は、「シェール革命」によって国内原油増産政策に舵を切ったが、中国の場合は当初から自国内での増産によって、エネルギー輸入量の拡大を阻止する方針になっている。同国にはシェール層の存在も高い確率で予測されており、シェール開発技術を米企業から入手できるのかなども、今後の焦点になりそうだ。… … …(記事全文4,373文字)
