□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2013年9月6日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。天然ゴム相場を、長期スパンで検証してみます。8月下旬以降はタイで天然ゴム農家の抗議活動が活発化していますが、その背景を「ゴム価格が低迷しているから」といった短期スパンではなく、もう少し本質的な視点から解説します。また、最新のタイ生産地の動向などについても報告します(3,596文字)。 =================================== タイの天然ゴム農家に広がる失望感、7年越しの期待が失望に変わる時 =================================== 天然ゴム樹は、作付けから概ね5~7年後にタッピング(採液)が開始され、25~30年が経つと樹液の出が悪くなる老木と判断され、植え替えの時期を迎える生産サイクルにある。近年は、土壌改善技術の進歩や、高収量クローン品種の普及などで単位面積当たりの収穫量を増やすことに成功しているが、それでも作付けからタッピング開始までの時間短縮は困難な問題であり、天然ゴム生産は短期スパンで取り組むことができる課題ではない。 最近のタイにおける天然ゴム農家の動向を見ると、他農産物とは違った天然ゴム生産の特殊性が強く印象付けられる。例えば、トウモロコシや大豆などの単年性の農作物であれば、農家は収益の最大化を目指すために機動的に作付けする品目を選択することが可能である。先物市場ではトウモロコシと大豆の比価などが有名であり、そこから収益予想を組み立て、トウモロコシと大豆のどちらを作付けするのか、農家は毎年のように難しい選択を迫られている。 収穫時期にどのような価格になるのかは予測が困難だが、様々な選択肢の中から農家は最適解を予測して、生産行動を決定している。「今は大豆よりもトウモロコシの作付けの方が収益期待が高いが、他の農家も同じことを考えるのながら、逆の選択が良いかも・・・」など、複雑なゲーム戦略が展開されることで、種の調達や保険契約の締結時期までは、農地でどのような作物が作付けされるのかは分かりづらく、それが春先のシカゴ穀物相場を不安定化させる一因になっている。… … …(記事全文4,515文字)
