… … …(記事全文2,596文字)不可解な事件だ。サントリーの新浪会長が麻薬取締法違反の疑いで家宅捜索を受けたかどで会長を辞任するという。一体何が起きたのだろうか?
●経済界の大物の電撃辞任
<2025年9月2日 NHK>
報道によると、新浪氏は大麻由来の成分「THC」が含まれた米国製サプリメントを、NY在住の知人女性を介して入手した疑いが持たれているという。
新浪氏は自身が代表を務める経済同友会で記者会見を開き「知人女性が勝手に自宅に送ってきたが、家族が廃棄した」とサプリを受け取っていないと主張、警察の家宅捜索でも見つからず、尿検査も陰性だった。これらがすべて真実ならば、新浪氏に落ち度はない。むしろ陰謀に嵌められた被害者だ。
だが、サントリーは「役職に堪えない」と判断し新浪氏に辞任表を出させたという。新浪氏が無実の被害者ならば辞任させる必要はない。むしろ風評被害を過度に恐れた判断だと批判されるリスクすらある。
つまり裏を返せば、新浪氏は無実の被害者ではなく、違法薬物と認識して複雑な経路で入手していた可能性が高いからこそ辞任に追い込まれたのだろう。
記者会見で新浪氏は「送り主が不明の荷物は中身を確認せずに廃棄するという家族との取り決めがある」と釈明している。だが、重要なものかもしれない荷物を新浪氏に確認せずに家族が勝手に捨てる、などという家族の取り決めなどあり得るだろうか。そもそも1回目は、新浪氏自身が知人女性にサプリを渡して日本に持ち込んでもらったのに、家族にその事実を伝えず、家族が勝手に捨てた、という釈明は不自然だ。普通なら、家族に誰々から荷物が届くから受け取っておいて、と伝えるはずだ。また、合法なサプリという認識ならば堂々と米国から直接輸入すればよいだけだ。
他にも新浪氏の釈明には不自然な点が多く、記者会見の内容に納得した人はほとんどいないだろう。
<2025年9月4日 THE PAGE>
知人女性の弟が麻薬取締法違反(輸入)の疑いで逮捕されたのは8月9日で、新浪氏の家宅捜索は8月22日と、13日間の時間的猶予があった。尿検査を含め隠蔽工作するには十分な時間だ。経済界の大物だけに、警察と政治経済界の間で落としどころについて擦り合わせたり、証拠隠滅の時間を与えるという忖度が働いたことは想像に難くない。
<大麻は1週間で身体から排出され、尿検査で陰性になる>
だが、筆者が不可解だと感じたのは、新浪氏の釈明や隠蔽疑惑のことではない。新浪氏がこうした微罪で家宅捜索を受けたことだ。本来なら彼ほどの人物が家宅捜索を受けるはずがない。仮に堂々と大麻を使用していたとしても、警察や大手メディは黙殺するだろう。
なぜなら新浪氏は日本で最も有名な「グローバリスト」だからだ。





