… … …(記事全文5,223文字)今回のトランプ暗殺未遂事件で、安倍元首相暗殺事件を思い出した人も多いだろう。トランプ暗殺未遂時の警備体制は意図的としか思えないほど杜撰だったが、安倍元首相暗殺事件でも警備体制の不備など不自然・不可解な事実が数多くあった。トランプ暗殺未遂事件との共通点と相違点について分析する前に、安倍元首相暗殺事件を振り返っておきたい。
●安倍元首相暗殺事件の不可解な点
(1)後方はガラ開きだった
安倍氏の演説は、事件前日の夕方に「長野」から「奈良」に突然変更された。理由は、長野の自民党候補者のスキャンダル発覚が原因という見方があるが、自民党は変更理由を明らかにしていない。
問題は演説場所だ。交差点付近でガードレールに囲まれた平地で「360度ガラ空き」だった。背後に選挙カーでも置けば少しは安全だったが、それもしなかった。事件の3カ月前に立憲民主党が同じ場所で演説したいと警察に申請したが、後方の警備が難しいと指摘されて断念した“いわくつき”の場所だった。
なぜ自民党は後方がガラ空きの場所に安倍氏を立たせたのか。なぜ奈良県警は立件民主党には危険を指摘し、安倍氏演説のときは指摘しなかったのか。危険なら危険でなぜもっと警備を厚くしなかったのか。
自民党関係者や警察の反省の弁は聞かれても、理由は謎のままだ。
<VIPの警護とは思えない“後方ガラ空き”だった>
ちなみに山上容疑者は、演説場所の近鉄大和西大寺駅から5キロ以内の大宮町に住んでいたことも、偶然にしては出来過ぎている。
(2)散弾銃では殺せない
犯人とされる山上容疑者が使った凶器は手製の散弾銃だった。
散弾銃は数多くの小さい弾が飛んでいく銃で、狩猟やクレー射撃に使われ、飛んでいる鳥などの動きの速いものを撃つのに適している。
弾は礫(つぶて。小さな金属球)で、一度に多数の礫が発射できるが、拳銃やライフルの弾よりかなり小さく、人の身体を貫通するほどの威力はない。散弾銃が致命傷を与えられる距離は1~2mと言われている。
<2021年11月 厚生労働省「銃創・爆傷患者診療指針」>
下の写真は150発の散弾を受けながら奇跡的に生き残った男性の傷跡と銃撃直後のレントゲン写真だ。この男性は奇跡的に一命をとりとめたが、弾の一部が内臓に達しているため弾を除去することができず、医者からは少なくとも寿命が25年縮まったと宣告されたという。彼の傷跡もやはり小さい。
<散弾銃の傷は小さい>
本物の散弾銃でさえ1~2mの至近距離から大量の弾を打ち込まなければ人を殺すことはできない。一方、山上容疑者は安倍氏から6~7m離れた場所から、礫が6発出る手製の散弾銃で撃った。常識的に考えれば、たとえ左肩から首にかけて貫通させることができたとしても、死に至らしめることは不可能に近かったはずだ。
(3)最大の謎「消えた死因『心臓破壊』」
ここまで書いたら殺される!? メディアが絶対報道できない「裏話」
上村史朗(ブログ「夢と勇気とサムマネー」運営)