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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #133:中東情勢を早読み⑥

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やっぱり地理が好き 

~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

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第133号(2023年11月13日発行)、今回のラインアップです。

①世界各国の地理情報

 ~中東情勢を早読み⑥

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こんにちは。

地理講師&コラムニストの宮路秀作です。

日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。

今回で133回目のメルマガ配信となります。


11月となりました。

本メルマガのご購読を継続していただいたみなさま、大変感謝いたします。

また今月から新たにご購読してくださった方、大変感謝いたします。

末永く、ご愛好いただければ嬉しいです。

ありがとうございます。


混乱に乗じて、自分の利を得ようとする。

そんな話は、歴史を紐解くと色々な時代で散見されます。


わたくしは歴史学プロパーではないので、認識が誤っていたら申し訳ないのですが、本能寺の変が起こったさいの羽柴秀吉などは恒例ではないでしょうか。そして、「天下を獲る絶好の機会であり、信長公の仇を討ち、天下を平定するべし」と言ったとされています。そして秀吉は、「世の中で恐ろしいのは徳川家康と黒田官兵衛の二人だ。家康は温厚な人であるが、官兵衛の瘡天窓(「かきあたま」、頭の皮膚病のこと)は信用することは難しい」と言っています。


秀吉自身が混乱に乗じて利を得たからこそ、官兵衛を信用しなかったのではないでしょうか。


混乱に乗じて自分の力や権力を拡大することによって、より安定した地位や利益を得ることができます。さらに、混乱に乗じて自分の正義や理想を実現することによって、世の中を良くしようという純粋な気持ちもあるでしょう。


混乱に乗じて自分の利を得ようとする行為は、必ずしも悪いことばかりではありませんし、むしろ、その混乱を収拾し、世の中を良くするために、混乱に乗じて行動することは、時には必要とされることもあるのではないでしょうか。


しかし、混乱に乗じて自分の利を得ようとする行為は、時には、他人の犠牲をともなってしまうことがあります。また、混乱に乗じて自分の利を得ようとする行為が、かえって混乱を拡大させてしまう可能性もあります。混乱に乗じた行動が、他人や社会に対してどのような影響を及ぼすのか、十分に考察することは重要です。


それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。

よろしくお願いします!


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①世界各国の地理情報

中東情勢を早読み⑥


今回は、前号第133号の続きです。


▼#128:中東戦争を早読み①

https://foomii.com/00223/20231026223000115762

▼#129:中東戦争を早読み②

https://foomii.com/00223/20231027210000115782

▼#130:中東情勢を早読み③

https://foomii.com/00223/20231029210000115856

▼#132:中東情勢を早読み④

https://foomii.com/00223/20231031060000115920

▼#133:中東情勢を早読み⑤

https://foomii.com/00223/20231031210000115965


■グラナダで開催された非公式首脳会議

10月5日、EU各国の首脳が集まり、非公式首脳会議が開かれました。場所はスペイン南部のアンダルシア州グラナダ。


グラナダといえば、かつてイスラーム王朝が支配していた歴史を持つため、さまざまなイスラーム様式の建築物があります。最も有名なものといえば、アルハンブラ宮殿ではないでしょうか。現在ではその歴史が織りなしてきた文化が息づいていながら、学園都市としても成長しており、歴史と現代が織りなす一風変わった性格を持つ都市となっています。


今回の非公式首脳会議の前日には、ヨーロッパ政治共同体(EPC、European Political Community)の首脳会議が開かれており、ウクライナのゼレンスキー大統領出席の中、欧州各国がウクライナへの支援を継続するとの約束が交わされました。


「ヨーロッパ政治共同体って何?」


この組織についてすでにご存じの方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。それもそのはず、2022年5月に設立されたばかりの組織だからです。年月を見れば分かると思いますが、ロシアによるウクライナ侵略(2022年2月24日)が始まってから設立されました。創設の提案者はフランス大統領エマニュエル・マクロンです。


目的は、ロシアによるウクライナ侵略によって引き起こされたエネルギー危機を背景に、ヨーロッパ各国の政治的安定、協力の促進です。ロシアからの原油や天然ガスの供給が止まったことによるエネルギー危機は、ヨーロッパ各国を窮地に追いやっていました。設立当初は44か国でしたが、現在は47か国が加盟しています。ヨーロッパのすべての国が加盟しているといっても過言ではなく、アゼルバイジャンやアルメニア、トルコ、ウクライナ、モルドバといった国も加盟しています。


もちろん、ロシアとベラルーシは加盟していません。

… … …(記事全文7,352文字)
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