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天木直人のメールマガジン
反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
2010年5月20日号:Vol.000 鳩山首相はグアム移転協定を凍結すべきだ
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「ブッシュのイラク戦争」を支持した小泉首相に反対して外務省を罷免された
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天木直人
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鳩山首相はグアム移転協定を凍結すべきだ
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普天間基地騒動の裏で大手メディアが決して書かないタブーがある。
それは何か。自民党政権の最後の段階で結ばれたいわゆる在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定(グアム移転協定)のことだ。
この協定は、もとをただせば2006年に5月に、引退直前の小泉首相が、まるで置き土産のようにブッシュ大統領と合意した米軍再編に関する日米合意(再編実施のための日米ロードマップ)にその源がある。
すなわち在沖縄米海兵隊をグアムに移転してやる代わりに、その費用の大部分を日本側が負担しろ、しかも普天間基地を返してやる条件として代替施設を辺野古に造れ、と言うものだ。
当時の報道では、グアム移転にともなう日本側の経費負担は全部で約60億ドル。そのうち日本政府が直接財政支援する額が約28億ドルと報じられた。
この28億ドルは国民の血税から支払われる。だから国際協定を締結して国会審議を経なければならない。
それが2009年2月にクリントン米国務長官と中曽根弘文外相の間で結ばれた「グアム移転協定」である。
およそ歴代の外務大臣の中でも最も外務官僚に従順だった中曽根弘文外相が、政権交代を見越して結ばされた協定だ。まともな国会審議もなく、誰もその内容を知らないうちに出来た。
そしてこれに従って日本は毎年血税を米国に払うことになっている。
おかしくないか。
政権が交代し、普天間基地移設も在米沖縄海兵隊のグアム移転も再交渉中なのである。
それなのになぜ日本の財政負担だけが何事もなかったかのように粛々と続けられているのか。
そもそも2006年の日米合意は、米国がいわゆるパッケージ論を持ち出して、普天間基地を返還するかわりに辺野古に新しい代替施設を造れ、それが出来なければグアム移転もチャラにする、と圧力をかけた合意である。
しかもグアム移転は、米国が自らの米軍再編策の一環として決めた米国の政策である。
ところが米国は在沖縄海兵隊の撤退を求める日本の足元を見て悪乗りした。グアム移転の経費負担をしなければ、そして普天間基地の代替施設を造らなければ、パッケージだからグアム移転もチャラだぞ、と脅かした。
鳩山首相は、よく勉強したほうがいい。
外務官僚は決して教えないから自分で勉強して気づかなければいけない。
米国と自民党がつくりあげたパッケージ論を逆手にとって、いまこそ普天間基地移設問題が決着するまで、グアム協定の実施を凍結する、財政支払いを停止する、というべきなのだ。
これこそが鳩山首相が最後に切り出す最強の対米交渉カードなのである。
ところが普天間基地をめぐる議論の中で、鳩山首相ばかりが悪者にされている。
このグアム移転協定のことなどまったく触れられない。日本は財政負担だけさせられている。
しかもその財政負担が、とんでもないものであった事が5月19日付の日刊ゲンダイで明らかにされていた。
すなわちグアム移転協定はその第4条で、米国政府は日本側が提供した資金から生じた利子をグアム移転経費に使用できるとされているというのだ。
これはあの沖縄密約からはじまった米金融資本主義の手口だ。米国は日本から金をむしりとるだけではなく、その金を運用して金利までむさぼっているのだ。
日本国民がこの事を知ったらふざけるな、という事になる。そんな遊び金があるくらいなら、利子ともども日本の国民生活に使え、と怒らなければおかしい。
もとを質せば日本国民の血税である。
鳩山首相はこの事を国民の前に明らかにすべきだ。こんなふざけた協定が自民党政権下で結ばれていた、と。
普天間基地移設問題どころではない。米軍再編への協力合意も、グアム移転協定も、みな自民党政権が国民に隠して米国と合意したものだ。
政権交代をした鳩山首相は、この機会にはじめから国民の見えるところで再交渉をし直すべきではないのか。
少なくともグアム移転経費の凍結は直ちに行わなければならない。これこそが政権交代による対米外交の真骨頂である。
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著者:元駐レバノン特命全権大使、作家 天木直人
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