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世界情勢ブリーフィング

JD(国際政治・経済の研究者、作家、元外交官)

JD

世界情勢ブリーフィング 第828号 今週の動き(6/22~28)米国のイラン攻撃

2025年6月23日発行(通算第828号)

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世界情勢ブリーフィング

https://guccipost.co.jp/blog/jd/

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今回も昨年同様、私と奥山真司さんのコラボとなります。トランプ政権、中東情勢、日米関係など、盛り沢山の内容になるはずです。ぜひ上記リンクからお申込みください! 


さて今週は、世界の注目が集まる中東情勢にフォーカスします。イスラエルとイランの戦闘が激化する中、ついに米軍がイラン攻撃に踏み切りました。今後の展望について、軍事・外交・経済の多角的な視点から解説します。日米関係(首脳会談、関税交渉、防衛費、日鉄)についても書く予定だったのですが、中東の変化があまりに激しかったので、すみません、次回以降に回します。


【目次】


1.先週の動き

● 米国のイラン攻撃

2.今週の動き

3.近況報告

4.あとがき


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先週の動き

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6/15(日)

・G7サミット(カナナスキス、~17日)

・イスラエルがイランのマシュハドの空港を攻撃

・イランがテルアビブ、ハイファを含むイスラエル各地をミサイルとドローンで攻撃


6/16(月)

・日米、米・EU、米英、米独、米仏、米・カナダ首脳会談(カナナスキス)

・中・カザフスタン首脳会談(アスタナ)

・イスラエルのネタニヤフ首相がテヘランの制空権を掌握したと発表

・ロシア・トルコ首脳電話会談


6/17(火)

・トランプ大統領がシチュエーション・ルームでNSCの会合を開催(イランの核施設攻撃を検討しているとの報道)

・米・メキシコ首脳電話会談

・FOMC(~18日)

・中国・中央アジア首脳会議 (アスタナ)

・中・ウズベキスタン首脳会談(同)

・北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記とロシアのショイグ安全保障会議書記が会談(平壌) 

・イスラエル軍がイラン軍のアリ・シャドマニ最高司令官の殺害を発表

・イランのナタンズの地下の核施設がイスラエルの空爆によって直接的な影響を受けたとの分析をIAEAが発表

・ロシア軍がウクライナのキーウをミサイルとドローンで攻撃

・日韓、日・ウクライナ、日豪首脳会談(カナナスキス)


6/18(水)

・トランプ大統領がイランに「最後通告をした」と発言

・米・ロシア首脳電話会談

・トランプ大統領とパキスタンのムニール陸軍元帥が会談(ワシントンDC)

・米連邦最高裁がトランスジェンダーの未成年者への性適合治療を禁じたテネシー州の州法を合憲とする判決

・FOMC最終日(FF金利の誘導目標を据え置き(4.25~4.5%))

・サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(サンクトペテルブルク、~21日)

・日本製鉄によるUSスティール買収が完了


6/19(木)

・ジューンティーンス(米奴隷解放記念日) 

・トランプ大統領がイランへの軍事行動について2週間以内に決めると発言

・トランプ大統領がTikTok規制法の執行停止の期限を9月17日に延長する大統領令に署名

・米連邦控訴裁がトランプ大統領による州兵派遣命令の差止命令の一時停止を延長する判決 

・中ロ首脳電話会談

・イスラエル軍がイランのアラクの重水炉を攻撃したと発表


6/20(金)

・米国防総省が日本を含むアジアの同盟国が国防費をGDP比5%まで増額する必要があると表明したと日経が報道

・中・NZ首脳会談(北京)

・英独仏・EU・イラン外相会談(ジュネーブ) 

・プーチン大統領がサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで演説(サンクトペテルブルク) 

・ハンガリーでウクライナの欧州連合(EU)加盟是非を巡り国民投票 


6/21(土)

・イスラエルがイランのイスファハンの核関連施設を攻撃したと発表

・イスラエルがイラン革命防衛隊のコッズ・フォースのサイード・イザディ司令官の殺害を発表

・イスラム協力機構(OIC)外相会議(イスタンブール、~22日)


●米国のイラン攻撃


イスラエル軍がイランへの攻撃を開始してから10日ほどが経ちましたが、その後も攻撃は続き、ナタンズ、イスファハン、フォルドゥの核施設に加え、アラクの重水炉やテヘランなどにも及んでいます。IAEAはナタンズ地下のウラン濃縮施設が深刻な損傷を受けたと発表しました。


またイスラエルは、イラン軍のアリ・シャドマニ最高司令官や、革命防衛隊のコッズ・フォースのサイード・イザディ司令官らを殺害したと発表。ハメネイ最高指導者の所在もイスラエルは把握しているとトランプ大統領は述べました。


イランもイスラエルに対する報復攻撃を続けていますが、その大半はイスラエルの防空システムにより迎撃されており、イスラエル側の被害はイランと比べて限定的にとどまっています。「抵抗の枢軸」を形成するイランの代理勢力にも大きな動きは見られず、ヒズボラは今回の戦闘には関与しない立場を表明しています。


こうした中、トランプはイランへの直接攻撃を検討していると公言し、「2週間以内に決断する」と述べましたが、昨日、米軍がフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設を空爆したと発表しました。フォルドゥへの攻撃にはバンカーバスターが使われたと報じられています。


まさに映画『トップガン マーヴェリック』で描かれた、米軍機によるイラン核施設への攻撃が現実のものとなった形です。情勢は刻一刻と変化していますが、本稿では執筆時点で判明している情報に基づき、今回の攻撃の意義と今後の展望について、軍事・政治外交・地政学・マーケット(原油価格)を含む多角的な視点から考察をお伝えします。 

… … …(記事全文11,195文字)
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