ウェブで読む(※推奨):https://foomii.com/00187/2021020407000076280 2021年2月4日発行(通算第520号) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世界情勢ブリーフィング https://guccipost.co.jp/blog/jd/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ミャンマーのクーデターは衝撃でした。昨年11月の選挙でNLDが圧勝した後、国軍と国軍系政党(USDP)は選挙不正の主張を続け、先週(26日、27日)、報道官と国軍司令官がそれぞれクーデターの可能性を否定しない発言に及び、かつてなく緊張が高まっていました。 しかし、週末(30日)には国軍はわざわざ「憲法を遵守する」という声明を出し、懸念は和らいでいました。私を含め多くの専門家は、火種を残しつつも、新議会が開催される2月1日はとりあえず無事に迎えると思っていました。 それが今回の事態、まさに急転直下の展開でした。憲法を守るという声明も油断を誘うためのものだったのかもしれません(直前(31日)までNLDとの交渉は続けられ、決裂したという経緯もあった模様)。 ミャンマー憲法は、非常事態宣言とその場合における国軍司令官の全権掌握を認めています。以下の記事で述べたとおり、ミャンマーの「民政移管」を実現した現憲法は、08年に国軍が起草したもので、非常事態宣言含め国軍に大きな権力を与えていました。このためミャンマーはいまだ完全な民主国家とはいえず、NLDは憲法改正を最重要の公約に掲げていました。しかし、当然ながら国軍の反対により憲法改正は実現せず、今回まさかの発動に至ってしまった(国軍の理屈では「憲法を遵守した」ことになる、もっとも非常事態宣言の発令権限は明文上大統領にあるのですが)・・ということです。 ・「ミャンマー現代史(2):民主化と経済発展」(19/12/3) https://guccipost.co.jp/blog/jd/?p=8963 08年から16年にかけて実現したミャンマーの民主化は、アジアの民主主義、そしてオバマ政権にとって輝かしい成果といえるものでした。それが深く傷つけられました。米国とEUは制裁の可能性を示唆していますが、もしそうなれば、ミャンマー経済にと進出日系企業の事業に大きな影響が及ぶ可能性があります。中国を含む東アジア・南アジアの地政学的な状況にも関わってきます。 今後の展望含め詳しくは来週解説します。本日は、軽めの話題です。 ■ Hillbilly Elegy Official Trailer(2020年10月14日付Netflix) https://www.youtube.com/watch?v=KW_3aaoSOYg ■ J・D・ヴァンス『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039790 Netflix映画『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』(ロン・ハワード監督、2020年公開)を見ました。その感想を述べます。 また、読者の方から、コメント欄で以下のとおりご質問がありました。… … …(記事全文6,805文字)
