… … …(記事全文3,560文字)『キッシンジャー100歳で往生!国益を最後まで追求したタフ・ネゴシエーターにしてロックフェラー代理人にして政界裏番長!日本政界で唯一認めた政治家は「死ぬまで許さない!」と嫌った角栄のみ!バイデンはイランと戦争できる?ホルムズ海峡封鎖でバレル300ドル突破!「ペトロダラー体制」崩壊寸前!世界は米国・米ドル・米国債を捨て始めている!』
■お知らせがあります。
■年内最後「中島孝志のオンオフサイトミーティング」を12/10(日)に開催します。
なぜこの日? 12/18-19「日銀金融政策決定会合」があるからです。FOMCも12/12-13にあるからです。
■黄金の卵を産む!ぴよこちゃん倶楽部プレミアム
「中島孝志のここだけ研究会ハイパー」限定10名募集(残席2)
※ブログでは「対面講義」「オンライン講義なし」としていますが、ご推察の通り、見ず知らずの参加リスク対策のためで、講義後1時間ほどでアーカイブ配信します。
コンテンツはハイパー・インテリジェンスで前回と異なります。
もちろん、講義後の二次会(東京最古の焼鳥屋、十割・二八の手打ち蕎麦屋等)は自由参加です。講義後、即、一緒に移動しましょう。
※詳細は・・・https://www.keymannet.co.jp/
時代は大きく転換しようとしています。いや、すでに転換してしまったのかもしれません。
とうとうヘンリー・キッシンジャーが亡くなりましたね。
キッシンジャーといえば、だれもが思い出すのは「ペトロダラー体制」の確立じゃないでしょうか・・・。
1971/8/15、米国はドル金交換禁止を表明しました。「ニクソンショック」ですね。
フランスのド・ゴール大統領から、溜まりに溜まった米ドルを金現物と交換してくれ、と言われ、「金交換?ムリムリ」と拒絶。ニクソン大統領が一方的に金ドル交換停止を表明し、変動為替相場に移行した後、キッシンジャー大統領補佐官がサウジを訪れ、というか、サウジの王族を脅かして、「原油売買決済は米ドルのみとする(その代わりサウジ王制を米軍が守ってやる。用心棒のみかじめ料だぜ)」と嘯いたあれです。
世界中が石油を買うには米ドルが必要となりました。もちろん、米国は米ドル紙幣を印刷するだけで、「ただ」で石油を輸入できるわ、世界中の外貨準備を米ドルにさせるわ、資産運用のために米国債へと投資させるわ、で笑いが止まりません。
米ドル需要は増えますから価値はぐんぐん上昇。安い米ドルで何でも輸入でき、米国は世界中の富を収奪しました。
米ドル紙幣さえ印刷すれば何でも手に入る。米国は物を製造する必要がなくなりました。財政赤字だって平気の平左。米ドルを貯め込んだ国に米国債を買わせれば、米ドルは米国へと還流するわけですからね。
償還期限が来たって借金を繰り返すだけ。国民に税負担を求めない。
こんな美味しいシステムはありません。
けど・・・イラクのサダム・フセインは「ペトロダラー体制」を本気で崩そうとしました。攻撃兵器はミサイルでも核でもなく「ペトロダラー体制」を崩すこと。以前、お話したプーチンと狙い処は同じです。
フセインは米ドルでなくユーロで決裁を行おうとして、米国の怒りを買ったため、「大量破壊兵器保有」という嘘八百を流され、国連は騙されたふりをして、米国に先制攻撃を仕掛けられて処刑されました。
カダフィは米ドルを外した中東独自の通貨システムをつくろうとしてこれまた殺されました。
米ドルが支配する限り狙われる・・・危機感を抱いたEUは米ドルに対抗する「ユーロ」というの共通通貨創設で対抗します。しかし、ユーロ建ての商品取引(石油、金、鉱物支援、穀物など)はありません。
ヨーロッパで独自通貨を維持しているのは英国。デンマークと、それ以外のブルガリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデンの計7カ国くらい。
サウジはすでに人民元を決済通貨として認める方向で動いています。みかじめ料もロシアに払います。イスラエルも含めて、米国は中東から蛇蝎の如く嫌悪されています。
米国はイスラエルVSハマス。ハマス、ヒズボラ、フーシの背後でイランが糸を引いている、と断言していますが、イランと本気で戦争できるのでしょうか・・・軍事力より産油力・インフレ輸出力のほうが米経済には命取りでは?
アルゼンチンのように自国通貨を米ドルに切り替える政策を発表した国もありますが、いまや、ペトロダラー体制もあちらこちらに綻びが出てきています。
世界貿易の脱ドル化。BRICSプラスの台頭。いやいや、財政赤字が溜まりに溜まってもはやジリ貧かドカ貧か・・・。自滅。自業自得。
BRICSは、米ドル依存解消を狙い、貿易や金融取引で自国通貨使用で合意しました。原油取引についても、UAEは金決済もOKね物々交換もOKとしています。
米ドルには金(ゴールド)の裏付けがありません。ただの紙切れです。米国は米ドルを刷りすぎました。ドル暴落カウントダウンです。
それが証拠に、米ドルと日本円との推移を見れば、円安円安と騒がれていますけど、1ドル360円にはほど遠い。逆に言うと、米国債購入で世界で唯一プラスになっているのは円建で投資している期間投資家だけです。だから、日銀はなんだかんだと理由をつけて円高にしたくないんですけどね。
さて、米国の凋落に反して、今後、強くなるのは資源大国、穀物大国そして生産大国だと思います。
「石油を支配できればその国を支配できる。だが、食糧を支配できればその国民を支配できる」
キッシンジャーの言葉です。
いやいや、このテーマは近々お話します。今回は一昨日の「中島孝志のワンハンドレッド倶楽部」で話し損なった「プラチナとパラジウム」についてお話する予定でした。「キッシンジャー死亡」のニュースで気楽に書き始めてしまいました。
ロシア追い込み策の一環で、「ロシア産金属を買わない、使用しない」と米国は西側に圧力をかけています。おかげで、金属市場全体が落ち込んでいる中、とくにシェアの高い「パラジウム」の相場値下がり圧力が強くなっています。
自動車産業には必須素材。ただしプラチナよりも高価。ロシアの供給不安もありますが、パラジウム離れが加速しています。いまや、年初来最安値水準。
触媒用貴金属としてのパラジウムが相対的に安価なプラチナへとシフトしています。プラチナのシェアもロシアは高いですけど、パラジウムほどではありませんから。
しかし、米国の嫌がらせもどこまで続けられるかは不明です。
というのも、中国が本格的に経済を復活させつつあります。また、実は米国内で売れていのはEVではありません。PHVでありガソリン車です。トヨタ車の75%はガソリン車です。
これはトヨタ潰しのためにEVしか認めない、としたヨーロッパも同じ。
欧州自動車工業会(ACEA)ではEU27カ国で、23年の新車販売台数は4年ぶり1000万台を超えました。
動力源別新車販売台数では、首位がガソリン車(288万台)で全体36.2%、続いてHV25.2%、ディーゼル車14.1%、期待のEVは14%とビリ。
やはりコストですよ。EVはガソリン車やディーゼル車よりかなり高価ですから。
折りからのインフレ対応で金利を引き上げています。カーローンの金利高、そして充電ポイントの致命的不足がブレーキになっています。
さて、当のロシアは軽油とガソリンの輸出を禁止しています。
発表と同時にヨーロッパのディーゼル価格急騰。トンあたり1010ドル超と△5%。
ロシアは世界最大のディーゼル燃料供給国です。冬が近づくにつれディーゼルをターゲットにしています。
ディーゼルは貨物、海運、航空で世界経済の主力燃料です。トラックや工場燃料のディーゼル価格がヨーロッパで高騰しています。
今回はこんなもんでよかろうかい!
3分でわかる!チャートたっぷり!中島孝志の得する「経済教室」
中島孝志(作家・コンサルタント etc)