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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.827:トランプ政権は「イディオクラシー」。なぜ20年前大こけしたB級映画が脚光を? 大統領解任はあるのか?


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山田順の「週刊:未来地図」                 

No.827 2026/04/14

トランプ政権は「イディオクラシー」

なぜ20年前大コケしたB級映画が脚光を?

大統領解任はあるのか?

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 イラン戦争が迷走するなか、2006年に公開され、わずか数週間で上映が打ち切られたFOX映画『イディオクラシー』(日本劇場未公開、邦題は『26世紀青年』)が、いま脚光を浴びている。

 その理由を知れば、なるほどと納得がいく。コメディ映画なのに、笑うに笑えない現実。つまり、この映画で描かれていることは、トランプ政権そのものと言えるのだ。

 トランプ解任論も飛び出す「最低最悪政権」は、いったいいつまで続くのだろうか?


[目次]  ──────────────

■トランプ政権の現実が映画に脚光を当てた

■単純に笑うに笑えないシリアスなメッセージ

■500年後、人々の知的水準は著しく低下していた

■世界最高の知能が判明して内務長官に抜擢

■民主主義の行き着く先は衆愚政治と警告

■ネット及びAIの進展と少子化でんバカだらけ

■大統領になって「利口はかっこいいこと」と演説

■憲法修正第25条による解任はできるのか?

■ワシントンD.C.に「凱旋門」を建設すると発表

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■トランプ政権の現実が映画に脚光を当てた

 

 じつは私は、この映画『イディオクラシー』が公開当時、編集者として「笑えない映画」として取り上げ、記事化したことがある。それは、いくら未来をコメディとして描いているとしても、そこには強烈な風刺があり、現実の写し絵ではないかと思えたからである。

 

 2006年の公開当時でもそう思ったのだから、現在のトランプ政権に対しては、ますますそう思わずにはいられない。ただし、この映画は大コケし、わずか数週間で上映が打ち切られた。そのため、日本では劇場公開されなかった。

 

 ところが、最近になって、アメリカのネットでは、この映画が脚光を浴びているのだ。このことを、3月29日配信の産経新聞記事が、以下のように報じている。

 

「20年前のB級映画が脚光 コメディーを笑えなくさせる米政治」

https://www.sankei.com/article/20260329-KPFYUJWHAVPOJJWT5RVWJO3TNQ/

 

 私は先週「Yahoo!ニュース」で、このことを取り上げ、コラムを寄稿した。今回は、それを基にして、もっと掘り下げて考察してみたい。

 

■単純に笑うに笑えないシリアスなメッセージ

 

 ひと言で言うと、『イディオクラシー』(IDIOCRACY)は、いまから500年後のアメリカを描いている。500年後である。

 公開当時、「おバカ映画」とされ、陳腐なSFコメディとして、映画ファンはB級以下の烙印を押した。ストーリーからして、それほど練り上げたものではなく、コメディにしても、性用語が飛び交い、下世話すぎたからだ。

 

  ”人工冬眠の実験台にされた平凡な男が500年後に目覚めると、アメリカには知能指数(IQ)50以下のバカしかいなかった”――という内容だから、そう思われても無理もない。

 

 しかし、この映画のメッセージは、考えてみると、じつはシリアスである。単縦に笑うに笑えない。

 では、そのストーリーをざっと紹介してみたい。

 

■500年後、人々の知的水準は著しく低下していた

 

 主人公のジョー・バウアーズは、軍勤務の平凡な兵士。アメリカ人の典型で、本など一切読まず、ジャンクフードばかり食べ、スポーツ好きで女好き。この平凡さに目をつけた軍は、秘密プロジェクトの実験台に彼を起用することにした。

 

 秘密プロジェクトというは、冷凍カプセルで1年間の冬眠をし、その後の変化を見ようというもの。ところが、プロジェクトの責任者が売春斡旋容疑で逮捕されため、プロジェクトの存在そのものが忘れられ、なんとジョーは、500年間も冬眠してしまうことになった。

 

 じつはジョーと一緒に、一般人のリタという女性(じつは売春婦)も冷凍カプセルに入れられていた。この2人は、目覚めてびっくり仰天することになる。なんと、彼らが目覚めた2505年の社会は、あらゆる人々の知的水準が著しく低下した世界だったからだ。

 

 人々は、誰ひとり本を読まず、朝から晩までトイレつきの椅子に座ってジャンクフードを食べながらテレビを見て過ごしていた。男はスポーツ、女はファッションにしか興味がなく、テレビはお笑いバラエティ番組とスポーツ番組しかやっていない。しかも、ニュースといえば、FOXニュースだけ。そして、街はゴミだらけ。

 

■世界最高の知能が判明して内務長官に抜擢

 

 さらに驚いたことに、医者や弁護士もとんでもないアホ(イディオidiot)ばかりで、裁判は完全な見世物ショーと化していた。裁判で死刑宣告されると、犯罪者はスタジアムでモンスター・トラックと戦わされるのだった。

 つまり、アメリカは完全に「バカによるバカのための国」になり、「超おバカ社会」で人々は暮らしていたのだ。

 

 ところが、ここで事件が起こる。

 ジョーが社会のあまりの異常さに思いあまって病院に行くと、IDの刺青がなかったことで、警察に逮捕されて刑務所送りになってしまう。しかし、刑務所でIQテストを受けると、なんと彼がこの世界では最高の知性を持っていることが判明する・

 

 この報告を受けたカマーチョ大統領は、即座にジョーを大統領のアドバイザー(内務長官)に任命し、彼に世界の問題、食料危機、経済停滞、ゴミ問題などを解決させようとする。

 このカマーチョ大統領は、元プロレスラーのポルノ男優だった。

 

… … …(記事全文5,817文字)
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