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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.787:早くもトランプはレームダックか?(1) “もみ消し”を図った「エプスタイン・ファイル」


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山田順の「週刊:未来地図」                 

No.787 2025/07/25

早くもトランプはレームダックか?(1)

“もみ消し”を図った「エプスタイン・ファイル」

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 トランプ第2次政権発足から半年が経った。相変わらず強権を振り回し、世界を混乱に陥れているが、ここにきて、2つの大きな問題が起こっている。

 この問題の対処次第では、さすがの“独裁”大統領も失権し、レームダック化してしまう可能性がある。2つの大問題とは、「エプスタイン事件」と「イーロン・マスクとの喧嘩別れ」(アメリカ党の設立)である。

 そこで、いつものレギュラー配信(毎週火曜日配信)に先んじて、今回から3回にわたり、この問題を取り上げて詳述してみたい。

 写真:連日、大報道となっているエプスタイン問題 © BBC AMERICAST

[目次]  ─────────────

■就任半年で自画自賛、支持率90%以上とうそぶく

■支持率は就任時から10ポイント以上も低下

■法務省とFBIが「顧客リスト」はないと発表

■「ディープステート」は事件を隠蔽している

■なぜトランプは“もみ消し”を図ったのか?

■ついに支持層のMAGA派を「腰抜けども」と非難

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■就任半年で自画自賛、支持率90%以上とうそぶく

 

 トランプ第2次政権発足から半年が経った。依然として、トランプ大統領の鼻息は荒い。なにもかもが思いのままになると、強権を振り回している。

 この「トランプ2.0」を、イェール大学教授ジェイソン・スタンリーは、「ファシズム」とし、トランプを「ファシスト」と呼んで、今秋からカナダのトロント大学に移籍することを決めたという。

 

 ファシズムは、AIの簡単な解説によると、「議会制民主主義を否定し、指導者による独裁政治を確立し、国民を国家のために動員しようとします」「排外主義であり、他の民族や文化を排除しようとする傾向があります」などとなっている。

 まさに、トランプ第2次政権そのものではなかろうか。

 

 しかし、トランプ自身はそんなことなど1ミリも思っていない。いつだって、自分は「偉大な指導者」だからだ。だから、「(私が就任して半年を経て)今日のアメリカは世界中でもっとも人気があり(hottest)、もっとも尊敬(respect)される国になった」と、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で自画自賛。なんと、こんなことまで書き込んだ。

「複数の世論調査で(自分の支持率が)90%、92%、93%、95%を記録した。これはすべて共和党の歴史上、新しい記録だ」

 本当に、“ホラ吹き男爵”である。

 

■支持率は就任時から10ポイント以上も低下

 

 CBSと世論調査会社の「ユーガブ」(YouGov)が、7月16~18日に実施した世論調査(成人2343人を対象)によると、トランプ大統領の支持率は42%。

 就任直後の2月9日の調査では53%を記録していたので、なんと10ポイント以上下落した。

 

 関税による物価高、エプスタイン問題、ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争、イーロン・マスクとの喧嘩、移民狩り、教育弾圧など、数えきれない問題が支持率の低下に影響している。

 ただし、共和党支持層と民主党支持層で比較すると、共和党支持層ではトランプの支持率は89%もある。したがって、この共和党支持層が今後、どのようにトランプに愛想を尽かしていくかで、アメリカの行く末は決まる。

 そこで、問題となるのが、「エプスタイン問題」と「イーロン・マスク問題」の2つである

 

 前者は、トランプの岩盤支持層「MAGA派」を怒らせており、「トランプに騙された」とわかってしまうと、トランプの支持率はさらに低下する。

 後者は、もう関係修復は期待できず、イーロン・マスクが立ち上げる「アメリカ党」(America Party)が、中間選挙で目論見通りの議員数を獲得すれば、トランプは求心力を失う。

 

■法務省とFBIが「顧客リスト」はないと発表

 

 では、まずエプスタイン問題を見ていきたい。トランプをこれまで熱烈に支持してきたMAGA派は、いま、怒りが治らない。それもそのはず、トランプは選挙中に、当選したらエプスタイン事件に関するファイル(報告書)をすべて公開すると約束していたからだ。

 にもかかわらず、この約束は、7月6日の司法省とFBI(連邦捜査局)の発表で、簡単に反故にされた。

 

 なんと司法省とFBIは、これまであるとされてきた「顧客リスト」は存在せず、エプスタインが顧客だった著名人を脅迫していた証拠もない。また。エプスタインが刑務所に収監中に死亡したのは自殺だったと主張したのだ。

 これは、これまでの報道や、事件の捜査状況からいって、ほぼありえない話である。

 

 ジェフリー・エプスタインは、ニューヨーク生まれのユダヤ人富豪で、2000年代初めに未成年者の性的人身売買(少女買春)と性的虐待の疑惑が浮上し、その後、逮捕・起訴されたこともあって、メディアで大々的に報道された。彼の売春組織の顧客として、英国のアンドリュー王子、ビル・クリントン元大統領、マイクロソフトCEOビル・ゲイツなどの著名人の名前が次々に挙がったからだ。

 

 エプスタインの愛人でありパートナーであったギレーヌ・マクスウェルは、FBIの捜査で、エプスタインが顧客のファイルつくり、動画を撮影していたと証言したと伝えられた。

 彼女は、2022年に未成年者への性的人身売買の罪で懲役20年の判決を受け、現在、収監中である。

 

… … …(記事全文4,732文字)
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